インフラ自動化ツール「Ansible 2.3」リリース。SSHのコネクションを使い続けるPersistent Connectionでタスク処理が高速に
オープンソースで開発されているインフラ自動化ツール「Ansible」の最新バージョン、「Ansible 2.3」正式版がリリースされました。
インフラ自動化ツールにはChefやPuppetなどよく知られるオープンソースソフトウェアが他にも存在しますが、Ansibleの特徴はサーバやネットワーク機器にあらかじめエージェントなどを導入することなく利用できる点にあります。
エージェントを使うことなく多数のサーバなどに対して設定やソフトウェア導入などの構成管理を行う仕組みとしてAnsibleではおもにSSHを用いています。
Ansibleのこれまでのバージョンでは、ネットワーク機器に対して構成管理のタスクを1つ実行するたびにSSHの接続を開始、終了し、次のタスクで再接続していました。最新バージョンとなるAnsible 2.3では「Persistent Connection」と呼ばれる新機能によって、1回のSSH接続で複数のタスクが実行されるようになっています。
これによってSSHの接続と終了にかかる時間とトラフィックがなくなるため、タスクが最大10倍高速に実行できるようになり、ネットワークの効率性も向上しました。
このPersistent Connectionを利用するため、ネットワーク機器に対して利用する2つのコネクションプラグインが登場しました。
1つは従来のCLIプラグインを置き換えるプラグイン「Network_cli connection plugin」。もう1つはネットワーク機器を構成管理するための標準的なプロトコルであるNETCONFを利用した「Netconf connection plugin」です。
ただしこれらの新しいプラグインはAnsible内部で使われるものであり、従来のPlaybookなどを変更する必要はなく、そのままで新機能の恩恵を受けられると説明されています。
そのほかAnsible 2.3では、多数のネットワーク機器向けプラグインの追加、Windowsにおけるモジュールの実行速度を最大で20%から50%向上させるPipeline boost機能など、多くの新機能が搭載されました。
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