インテル、3D XPoint採用のコンシューマ向け製品「Intel Optane Memory」発表。SSDではなくストレージの高速キャッシュメモリ
米インテルは、マイクロンと共同開発した新しい不揮発性メモリ「3D XPoint」を採用したコンシューマ向けの製品「Intel Optane Memory」を発表しました。
同社はすでに今月、サーバ向けに3D XPointを採用した「Optane SSD DC P4800X Seriesを発表したばかり。今年は3D XPointがPCでもサーバでも本格的に展開されることになります。
3D XPointは、これまで不揮発性メモリとしてSSDなどに広く採用されてきたNAND型フラッシュメモリよりも最大で1000倍高速で、しかも耐久性も最大1000倍ある優れた不揮発性メモリだと発表されており、より高速なSSDや、あるいは大容量の不揮発性メモリをメインメモリとして使うストレージクラスメモリとしての利用が期待されています。
しかし今回発表されたOptane Memoryはいまのところそのどちらでもなく、ストレージの高速かつインテリジェントなキャッシュメモリとして働くことでPCの性能を向上させるというものです。
Intel® Optane™ memory creates a bridge between the DRAM and storage to deliver an intelligent, amazingly responsive computing experience.
Intel OptaneメモリはDRAMとストレージのブリッジとしてインテリジェントで驚異的な反応のコンピューティング体験をお届けします
(Intel Optane MemoryのWebサイトから)
同社の説明によると、従来のハードディスクドライブを用いたシステムに比べて、Optane Memoryを採用することでブート時間が半分になり、システム性能が28%向上、ゲームのレベルロードが65%高速に。また、Outlookのようなアプリケーションの起動も6倍高速になるとのこと。
ただし、このOptane Memoryの対応機種になるのは、第7世代のIntel Coreプロセッサ、いわゆるKaby Lake世代のプロセッサとチップセット。4月24には一般向けに16GBと32GBのメモリモジュールの販売が開始され、第2四半期からは主要なPCメーカーからOptane Memory内蔵のPCも登場する予定です。
この製品展開から想像すると、3D XPointは現時点では容量あたりの単価がまだ高価であるため、SSDのような大容量展開ではなく、ストレージキャッシュとして小容量展開からスタートすることにしたのでしょう。高速かつ高耐久な3D XPointはたしかにストレージキャッシュに向いているともいえます。
しかしNAND型フラッシュメモリがそうだったように、量産が進めば3D XPointの容量あたりの単価も下がり、大容量展開がしやすくなってくるはずです。そのときにどのような製品が展開されるのか、いまから楽しみだといえます。
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