ガートナージャパン、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」発表。DevOpsは過度な期待のピーク、クラウドやビッグデータは幻滅期
調査会社のガートナージャパンが「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表。ITリーダーが押さえておくべき40のキーワードのトレンド。DevOpsは過度な期待、クラウドやビッグデータは幻滅期に。
調査会社のガートナージャパンは、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表しました。
米ガートナーは毎年、技術の登場から安定までを図にまとめた「先進テクノロジーにおけるハイプサイクル」を発表しています。ガートナージャパンが今回発表したのは、2017年現在の日本のIT市場においてITリーダーがいま押さえておくべき代表的な40のキーワードの、日本国内におけるトレンドです。
ハイプサイクルは、技術の登場から安定までを以下のステージに分けて説明したもの。
- 黎明期(Innovation Trigger)
- 「過度な期待」のピーク期(Peak of Inflated Expectations)
- 幻滅期(Trough of Disillusionment)
- 啓蒙活動期(Slope of Enlightenment)
- 生産性の安定期(Plateau of Productivity)
黎明期にはIoTプラットフォームやロボティック・プロセス・オートメーションなど
「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」(以下、日本版)では、黎明期に「デジタル・ビジネス・プラットフォーム」「IoTプラットフォーム」や「ロボティック・プロセス・オートメーション」などが並んでいます。
8月に発表された米ガートナーのハイプサイクル(以下、米国版)では、IoTプラットフォームは「過度な期待」のピーク期にあり、日本ではやや遅れていることがわかります。
また、「ロボティック・プロセス・オートメーション」は日本版にしかないキーワードです。これは、ソフトウェアで作られたロボットを用いて、これまで人間が行ってきた業務アプリケーションの入力の自動化やデータの加工などを行うもの。
当初はルーチン化された単純作業をソフトウェアロボットに置き換えることが行われていましたが、機械学習などとの組み合わせによって徐々に複雑な業務も担当するようになってきています。
日本版にだけ登場するキーワードはDevOpsやビッグデータなど
日本版では、ブロックチェーンや人工知能、DevOpsなどは「過度な期待」のピーク期にあるとされています。
米国版でもDeep LearningやMachine Learning、Blockchainは同じく「過度な期待」のピーク期にあり、このあたりの盛り上がりは国内外でそれほど変わらないことが分かります。
一方でDevOpsは日本版にのみ登場し、米国版にはないキーワードです。幻滅期にあるビッグデータやクラウドコンピューティングも同様に日本版にのみ登場します。
一方、米国版にあって日本版にないキーワードとして、Augmented Reallity(幻滅期)やVirtual Reallity(啓蒙活動期)などがあり、このあたりには国内外で注目されているキーワードの違いを感じさせます。
ガートナージャパンはこの日本版ハイプサイクルについて次のようにコメントしています。
「モノのインターネット (IoT)、人工知能 (AI)、ブロックチェーンといったさらに新しいトレンドが注目を集め、概念実証 (POC) に積極的に取り組む企業も増加しています。同時に、企業のITシステムがよりオープンになり、かつ社外のリソースとつながることで、『デジタル・プラットフォーム』というコンセプトが開花しています。」
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