米ガートナー、先進テクノロジーにおけるハイプサイクル2017年版を発表。AI Everywhere。サーバレスは黎明期、ディープラーニングやブロックチェーンは過度な期待
米調査会社のガートナーは、先進テクノロジーに関するハイプサイクルの2017年版「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2017」を発表しました。
ハイプサイクルは、技術の登場から安定までを以下のステージに分けて説明したもの。
- 黎明期(Innovation Trigger)
- 「過度な期待」のピーク期(Peak of Inflated Expectations)
- 幻滅期(Trough of Disillusionment)
- 啓蒙活動期(Slope of Enlightenment)
- 生産性の安定期(Plateau of Productivity)
AIがあらゆるものに組み込まれる
2017年版のハイプサイクルについて、ガートナーは「AI everywhere」「transparently immersive experiences(透過的没入体験)」「digital platforms」の3つがトレンドであるとしています。
「AI everywhere」は文字通り、あらゆるものにAIが組み込まれていくというもの。ハイプサイクルの中では、今年初めて登場したキーワードです。
「transparently immersive experiences(透過的没入体験)」は、人やビジネス、モノなどに自然な形でテクノロジーが溶け込んでいくことで、昨年もトレンドとして同社は取り上げているため、引き続きこの方向性が続くことになるのでしょう。
「digital platforms」は企業のデジタル戦略を支えるためのプラットフォーム。同社ではエンタープライズアーキテクチャに基づく、企業のデジタル戦略にとって欠かせないものとしています。
昨年同社はトレンドのひとつとして「The platform revolution」(プラットフォームの革新)を挙げ、ITインフラがエコシステム化することの影響を説いていました。今回の「digital platfroms」は、その考えの延長線上にあるものといえるでしょう。
サーバレスは黎明期、ディープラーニングは過度な期待
今年のハイプサイクルから、気になるキーワードをいくつか取り上げてみると、「Serverless PaaS」が黎明期に、「Conversational User Interface」も黎明期にあります。
昨年は黎明期にあった「IoT Platform」「Blockchain」などは今年、順調に「過度な期待」のピーク期へと移行しています。
また、「Deep Learning」「Machine Learning」「Cognitive Computing」などAIや機械学習関連のテクノロジーも今年は「過度な期待」のピーク期に。
一方で「Augumented Reality」は幻滅期、「Virtual Reality」は啓蒙活動期と、AR/VR関連は過度な期待を抜け出したと見られているようです。
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