オープンソースイニシアチブにマイクロソフトが加盟、プレミアムスポンサーとして。あのハロウィーン文書から19年
Open Source Initiative(オープンソースイニシアチブ)は、「オープンソース」という言葉やその意味を広めるにあたって重要な役割を果たしてきたエリック・レイモンド氏らが中心になって、1998年に設立された団体です。現在でもオープンソースの普及促進における中心的な役割を果たしています。
そのオープンソースイニシアチブに、マイクロソフトがプレミアムスポンサーとして加盟することが発表されました。
ちょうどオープンソースイニシアチブが結成された1998年、エリック・レイモンド氏は「ハロウィーン文書」と呼ばれるマイクロソフト社内からリークされた文書を公開します。ハロウィーン文書には、存在感を高めつつあったオープンソースソフトウェアがマイクロソフトにとって脅威をもたらすものとして分析され、どうやってその発展を妨害するかなどが考察されていました。
オープンソースに対して非常に敵対的だったその内容はオープンソースコミュニティに大きな衝撃を与え、そしてマイクロソフトに対して強い反発を引き起こします。そしてそれはその後何年も続くことになるのです。
そのハロウィーン文書から19年を経たいま、マイクロソフトがオープンソースイニシアチブのプレミアムスポンサーになるという発表は、過去の歴史的経緯に対する区切りとして記録しておくべき象徴的な出来事といえるのではないでしょうか。
マイクロソフトがプレミアムスポンサーとして加盟
マイクロソフトがプレミアムスポンサーとして加盟するに当たり、オープンソースイニシアチブのゼネラルマネージャでボードディレクターのPatrick Masson氏は、次のように最大の賛辞を送っています。
I don't think there could be any greater testament to the maturity, viability, interest, and success of open source software than not only Microsoft's recognition, but also their support as a sponsor, as well as their participation as contributors to so many open source projects and communities.
マイクロソフトのその姿勢のみならず、スポンサーとしての支援や、そして同社の多くのプロジェクトやコミュニティに対する貢献や参加は、オープンソースソフトウェアの成熟、可能性、注目度、そして成功に対する、これ以上ない証明となることでしょう。
マイクロソフトのオープンソースプログラムオフィスディレクター Jeff McAffer氏も、この賛辞に対して次のように熱く答えるコメントを出しています。
The work that Open Source Initiative does is vital to the evolution and success of open source as a first-class element in the software industry. As Microsoft engages with open source communities more broadly and deeply, we are excited to support the Open Source Initiative's efforts
オープンソースイニシアチブの取り組みは、ソフトウェア産業におけるもっとも重要な位置にあるオープンソースの革新と成功の原動力です。マイクロソフトはオープンソースコミュニティにより広く深く連携することで、オープンソースイニシアチブへ支援できることを光栄に思います。
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