VMware、IaaS型クラウド「vCloud Air」の国内データセンター終了へ、2017年3月31日まで
VMwareは4月22日、IaaS型のパブリッククラウドサービス「vCloud Air」の日本ロケーションからの提供を終了すると発表しました。
vCloud AirはVMwareのテクノロジーで構成されたパブリッククラウド。オンプレミスで稼働しているvSphere環境と高い互換性があり、ハイブリッドクラウドとしてシームレスに連携、もしくは移行できるのが特長です。
「日本におけるハイブリッドクラウド事業の方針変更について」と題された発表文から一部を引用します。
そしてこのたび、VMware は日本市場の特殊性を鑑み、国内においては、vCloud Air Networkモデルに限定してサービスを提供することに決定しました。お客様は、広範なサービスと豊富な実績を有するvCloud Air Networkパートナーから目的にあったサービスを選択することができます。この決定を受け、当社は2017 年 3 月 31 日をもちまして、vCloud Airサービスの日本ロケーションからの提供を終了いたします。
vCloud Air Networkとは同社のテクノロジを用いてクラウドサービスなどを提供しているパートナー企業を指します。
vCloud Airの日本ロケーションから提供終了となるのは、Dedicated Cloud、Virtual Private Cloud、Virtual Private Cloud onDemand、Disaster Recoveryおよびそれに関連する機能やサービス。仮想デスクトップを提供するHorizon Airは引き続き提供されます。
vCloud Airの日本ロケーションが開設されたのは2014年11月でした。データセンターの場所は公式には発表されていませんが、IDCフロンティアが福岡県北九州市に構築した北九州データセンター(通称アジアン・フロンティア)に設置されていると推察されます。
VMwareは現時点で北米に7カ所、欧州はイギリスとドイツの2カ所、アジアではオーストラリアと日本の2カ所のデータセンターをvCloud Airのデータセンターとして展開。ここから日本ロケーションがなくなると、東アジアが大きな空白地帯となります。
Amazonクラウドやマイクロソフト、Googleなど大手クラウドベンダは、データセンターの積極的なグローバル展開を続けています。その中での日本ロケーションからの撤退は、日本市場固有の判断なのか、それとも同社のパブリッククラウド戦略全体が変化しているのか、発表からは前者のように読み取れますが、本当のところはしばらく様子を見る必要がありそうです。
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