TypeScript 2.0ベータ版が公開。Null値の排除型、進化した型分析、容易なモジュール宣言など
マイクロソフトは、JavaScriptを生成するいわゆるAltJS言語のTypeScript 2.0ベータ版を公開しました。
Type Script 2.0では言語仕様やコンパイラに改良が加えられています。
「Non-nullable Types」は、変数の値がNullの場合にはエラーとする機能。JavaScriptのプログラムでは変数の値としてNullやUndefinedになることがありますが、変数がこれら例外的な値になることを開発者が意図していないことも多く、バグの温床となっていました。
TypeScript 2.0では、「--strictNullChecks」フラグを立てることで、例えば文字型の変数は必ず文字の値が、数値型の変数には必ず数値が入ることとなり、それ以外のNullやUndefinedの値ではエラーとなります。
「Control Flow Analysis for Types」は、型解析にコントロールフローと呼ばれる新しい手法を用いることで、進化させたもの。より早い段階で変数の型を把握し、適切なエラーメッセージなどが表示されるようになります。
「Easier Module Declarations」では、文字通りこれまでよりも簡単な構文でモジュールが宣言できるようになります。
このほか関数に「this」型が使え、リードオンリーの属性が可能になるなど多くの新機能が追加されています。
TypeScript 2.0ベータは、Visual Studio 2015に対応した「TypeScript 2.0 Beta for Visual Studio 2015」もしくはNode.jsの「npm install -g typescript@beta」で取得できます。
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