マイクロソフト、クラウドへデータを自動転送するオンプレミス用仮想ストレージソフト「StorSimple Virtual Array」正式公開
マイクロソフトは2012年10月に、設立わずか3年のストレージベンダ「StoreSimple」を買収しています。このStoreSimpleはiSCSI接続による共有ストレージ機能を備えているだけでなく、クラウドストレージゲートウェイと呼ばれる機能を備えています。
クラウドストレージゲートウェイ機能を利用することで、ストレージ内のデータを定期的にクラウドへ自動バックアップする機能、ディザスタリカバリのためにアーカイブを作成して暗号化しつつクラウドへ保存する機能や、クラウド側のストレージを拡張領域とすることで仮想的に何ペタバイトでも保存できる容量制限のない超大容量ストレージとする機能、などを実現しているのです。
今回、このStorSimpleのハードウェアが備えてきた機能をソフトウェア化し、ハイパーバイザ上の仮想ストレージとして実行可能にした「StorSimple Virtual Array」が、正式版として公開されました。
StorSimple Virtual ArrayはHyper-VもしくはVMware ESXiの上で実行でき、そのサーバをNASもしくはiSCSIに対応したストレージサーバのように見せることができます。
サーバ上で64TBまでの物理ストレージに対応し、管理はすべてMicrosoft AzureのStorSimpleマネジメントポータルで一元的に行うことができます。
これにより、わざわざ専用のストレージ機器としてStorSimpleを導入しなくとも既存のサーバ上の仮想マシンとしてStorSimpleを導入できるため、中小規模の企業や支店などでクラウドストレージの導入が促進されることになるでしょう。
ちなみに、Amazonクラウドでは同様の仮想ストレージを「AWS Storage Gateway」として2012年に発表していました。マイクロソフトはこれに対して前述のようにアプライアンスとしてのStorSimpleを提供してきており、今回そのソフトウェア版を投入した、ということになります。
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