あなたがもしStack Overflowでエンジニアとして働いたとしたら、給料はいくらか? Stack Overflowが給与計算式を公開
ITエンジニア向けQ&Aサイトで知られるStack Overflow。同社は、同社への転職希望者が経験年数やスキルなどを入力すると年収がいくらになるか、目安を自動計算してくれるWebページ「The Stack Overflow Salary Calculator」を公開しました。
同社のエンジニアリングマネージャMatt Sherman氏は、7月27日付で同社のブログにポストされた記事「Salary transparency at Stack Overflow」(Stack Overflowにおける給与の透明性)で、次のように書いています。
We believe (and developers tell us) that job seekers should be empowered with as much information as possible when looking for a job – especially salary.
私たちは、転職希望者が職探しをする際に、より多くの情報を得ることが転職を後押しすると信じています。とりわけ給与情報が、です。
そしてこれを自社に適用するために作ったのが「The Stack Overflow Salary Calculator」というわけです。
経験5年のデベロッパーが年収1000万円
このWebページに3つの基本情報。ポジションと経験年数、スキルを入力するだけで、同社に転職した場合に年収がいくらになるのかを知ることができます。
例えば、ポジションは「デベロッパー」、経験年数は「5年」、スキルは「1」と入力してみましょう(上記の画面例は、その値を設定したところです)。
スキルの値は、別のスキル値を求めるページ「How We Assess Skill Level at Stack Overflow」で求める必要があります。ここでは、「イテレーション」「問題解決能力」「自律的学習能力」「公共心」など多数の能力を4段階で自己評価すると計算してくれますが、StackOverflowのエンジニアの多くはスキル値が「1」もしくは「2」だそうです(値が大きい方が優秀)。
3つの情報を入れるとすぐに年収が計算されます。今回の例では10万1600ドル、日本円にして約1067万円(1ドル105円換算)でした。かなり高給ですね。ニューヨークやサンフランシスコ、ロンドンといった大都市に住んでいる場合には、ここからさらに10%増しになるようです。
Matt Sherman氏は、このWebページはBuffer社の「Buffer’s Transparent Salary Calculator」からインスパイアを受けたものだとも説明しています。このページも職種や経験年数、住んでいる場所などを設定するだけで転職時の給与が分かるようになっています。
個人と企業の「情報の非対称性」をなくす
Stack Overflowがこうしてわざわざ給与を公開したのは、個人と企業のあいだにある「情報の非対称性」を変えていきたいためだと説明されています。
情報を公開することが広まることで、公開しない企業へは転職者が集まらないというプレッシャーをかけることが期待できるためです。
Publickeyでも毎年、IT系企業の年収を継続的に記事にまとめているのはまったく同じ考え、つまり個人と企業の情報の非対称性をできるだけ減らしたいからです。競合する企業の社員が自分たちよりも高い給料をもらっていることが分かれば、経営者はプレッシャーを感じるでしょう。そうすることでエンジニアの働く環境は、少しずつ良くしていくことができるはずだと期待しています。
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