マイクロソフト、Slack対抗の「Microsoft Teams」発表。Slackは「コミュニケーションは難しいですよ」と余裕の歓迎コメントを発表
マイクロソフトはチャットを中心としたコミュニケーションツール「Microsoft Teams」を発表しました。
Microsoft Teamsは、Office 365のサービスの1つとして提供されます。Slackと同様にチャンネルの設定によるグループでの会話や1対1の会話が可能。Office製品やSkypeとも統合されています。
チャンネルごとにワークスペースのカスタマイズも容易。絵文字なども使え、APIによる拡張やBot FrameworkによるBotの連係も可能です。
多要素認証など企業向けのセキュリティも万全。
Microsoft TeamsはOffice 365の一部としてプレビューが開始され(Office 365のプランによる)、2017年第1四半期に正式公開予定。
Slackは「コミュニケーションは難しいですよ」と余裕の歓迎コメント
マイクロソフトから戦いを挑まれたSlackは、「Dear Microsoft,」と題したブログ記事を公開しました。
冒頭で、「Wow. Big news! Congratulations on today’s announcements. We’re genuinely excited to have some competition.」(おお、これは大ニュースだ、発表おめでとう。競合が現れたことで心からワクワクしている)と歓迎の言葉をかけたうえで、「However, all this is harder than it looks. So, as you set out to build “something just like it,” we want to give you some friendly advice.」(けれど、これは見かけよりずっと難しいのさ。どうやら“なんだか似たようなもの”を作ったみたいだけど、ここは親身なアドバイスをさせていただこう)と、余裕のコメント。
アドバイスの1つは、機能ではなくクラフトマンシップのような丁寧なものづくりが求められるとしています。
Communication is hard, yet it is the most fundamental thing we do as human beings.
コミュニケーションというのは難しいものだ。それは人間としてもっとも基本的なものごとなのだから
そしてオープンプラットフォームが重要であること、顧客への愛情などを挙げています。
マイクロソフトはかつて、2011年にSkypeを買収し、2012年にはYammerを買収するなど、リアルタイムなコミュニケーションツールの充実をはかってきましたが、結局のところSlackの独走を許す形となりました(ちなみにサティア・ナデラCEOは、Microsoft Teams発表時に「Yammerは、企業全体のブレティンボード(掲示板)だ」との位置づけを明らかにしました)。
企業向けのチャットツールには、SlackだけではなくHipChatやChatWorksなど多くの競合ツールがひしめくレッドオーシャンとなっています。マイクロソフトにとって何度目かの挑戦となるMicrosoft Teamsは果たして、このレッドオーシャンを泳ぎ切れるでしょうか。
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