インテルが「Rack Scale Design」のリファレンスソフトウェアをオープンソースで公開。コンピュート、ストレージ、ネットワークをシステムレベルで操作
インテルの「Rack Scale Design」は、コンピュート、ストレージ、ネットワークをそれぞれリソースをプールしておき、必要に応じて動的にリソースを組み合わせることで適切な性能を備えたサーバを提供できる仕組みを備えています。
Rack Scale Designが従来のサーバと違うのは、従来のサーバはプロセッサ、ストレージ、ネットワークを備えた1台の完成されたサーバ上で仮想化ハイパーバイザなどを用いてリソースを切り出していたのに対し、Rack Scale Designではファームウェアがシステムレベルでプロセッサ、ストレージ、ネットワークのリソースを動的に組み合わせてサーバを構成する点にあります。
インテルはこれにより、従来よりも効果的なサーバ運用やデータセンタの運用を実現すると説明しています。
Rack Scale Designのシステムを制御するソフトウェアを公開
インテルはこのRack Scale Designを制御するためのソフトウェアを「Intel Rack Scale Design Reference Software」としてオープンソースで公開したことを明らかにしました。
このソフトウェアを利用することで、インテルのRack Scale Designに対応したシステムをソフトウェアで制御し、いわゆるSoftware-Defined Datacenterの実現につなげることができます。
インテルのデータセンターグループのバイスプレジデントCharles Wuischpardは、同社のブログに投稿した記事「Intel® Rack Scale Design Is Now Ready for Open Source Development - IT Peer Network」で次のように書いています。
This is the first step in preparing the broader ecosystem for pooled resources and a path to a software-defined infrastructure. Through its ability to provide a new systems-level architecture that uncouples a system’s resources, Intel Rack Scale Design helps hyperscale operators address the challenges of growing workload complexities and the sheer scale of usage demands.
これはプールされたリソースとSoftware-Defined Infrastructureに向かう幅広いエコシステムを整備する第一歩です。この新しい、システムリソースを分離するシステムレベルでアーキテクチャであるIntel Rack Scale Designの実現を通じて、大規模なデータセンター事業者の課題である複雑なワークロードの増大や規模への要請などの解決を支援します。
このオープンソースにはプールされたリソースの管理エンジンとなるPod Managerやラックマネジメントモジュール、検証用テストツールなどが含まれています。
ただしRack Scale Designが実際に登場するのは年内とのことで、このオープンソースツールは、まずはシステムベンダやサードパーティが利用することになりそうです。
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