マイクロソフト、オープンソースのPaaS基盤「Cloud Foundry」などを開発するPivotalへの投資に参加
オープンソースのPaaS基盤ソフトウェア「Cloud Foundry」の商用版ソフトウェアなどを開発しているPivotalは、シリーズC(三回目)の資金調達において、フォードとマイクロソフトが同社への新規投資を行ったと発表しました。
PivotalはVMwareとEMCからのスピンアウトとして設立された企業で、現在もEMC傘下にあります。トップは元VMwareCEOのポール・マリッツ氏です。
同社が開発元となり、現在はオープンソースとして開発されているPaaS基盤ソフトウェア「Cloud Foundry」は、IBMのBluemixやNTTコミュニケーションズのCloudn PaaS、HP Helion Development Platformなど、すでに多くの実績を備えています。
これまで同社に投資をしてきたのはVMwareとEMC、GEの3社です。今回のシリーズCで、この3社に加えて自動車メーカーのフォードとマイクロソフトが新たに同社への投資家として加わりました。
このうちEMCとVMwareはPivotalの親会社であり、GEとFordはCloud Foundryの大口ユーザーです。
一方、マイクロソフトはMicrosoft Azureで独自のPaaSを提供しており、Cloud Foundryとは競合しているように見えます。なぜ同社はPivotalへの投資に加わったのでしょうか。
その答えは、プレスリリースの中でマイクロソフトのクラウドとエンタープライズ部門の席に社であるスコット・ガスリー氏のコメントに示されています。
“Our priority is ensuring that Microsoft Azure is the best place to run Java applications using Pivotal Cloud Foundry,”
私たちが優先するのは、Microsoft AzureがPivotal Cloud Foundryを用いてJavaを実行する最適なクラウドになることだ
すでにMicrosoft Azure上では昨年から、オープンソース版のCloud Foundryを正式にサポートしており、商用版となるPivotal Cloud Foundryもプレビュー版としてサポートを始めています。正式サポートが開始されるのもそう遠くないでしょう。
マイクロソフトは現在、同社のクラウド戦略として「Choice+Flexibility」(選択と柔軟性)を掲げています。Microsoft AzureはWindowsだけにこだわらず、あらゆる言語やOSにとって最適なプラットフォームとなろうとしている、というのがこの戦略の示すところです。そしてPivotalへの投資も、この戦略に沿って行われた、というわけです。
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