ハイパーコンバージド、クラウド型機械学習、コンテナ特化型OS。2016年にブレークするインフラ技術、Publickey選
2016年にブレークするインフラ技術として何が挙げられるでしょうか。日経SYSTEMS 2016年1月号に、このテーマに基づいて技術を選出する「ITインフラテクノロジーAWARD 2016」が発表されています。
実はこのアワードの審査員の末席に僕も名前を連ねておりまして、僕以外の審査員は素晴らしい方々が揃っていました。野村総合研究所 石田裕三氏、ウルシステムズ 漆原茂氏、国立情報学研究所 佐藤一郎氏、楽天技術研究所 森正弥氏、そして日経SYSTEMS編集長の森側真一氏です。
審査員は事前に各自3つの技術をアワード候補として選出、それを全員で共有しながら議論を進めていきました。議論の結果、アワードとして選出された3つの技術は……まだ日経BPのWebサイトで公開されていないので、この記事で書くのは控えた方がよさそうです。この記事では僕が候補として挙げた3つのインフラ技術を紹介することにしましょう。
僕が「2016年にブレークする技術」として挙げたのは次の3つでした。
1位 ハイパーコンバージドインフラストラクチャー
2位 クラウド型機械学習
3位 コンテナ特化型OS
ハイパーコンバージドインフラストラクチャー
1位の「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー」は、2015年後半から急速に注目度が高まってきています。仮想化を前提としたインフラの構築に共有型ストレージアレイを用いず、ストレージを内蔵した通常のサーバをネットワークでつなげていくだけで仮想化基盤を構築できるソフトウェアの仕組みを備えたものです。シンプルかつスケールアウトが容易な仮想化基盤の新興技術として注目されてきました。
2016年には新興技術という位置づけから一般的な技術へと移行すると同時に、プライベートクラウドにおけるクラウド基盤としての取り組みも広がるのではないかと考えています。
クラウド型機械学習
2位の「クラウド型機械学習」は、機械学習の機能がクラウドで容易かつ安価に使えるようになることで、2016年には多くの企業がビジネスに活用し始めるだろうと考えたためです。
ヒストリカルデータを基にECサイトでレコメンデーションを生成するといった用途だけでなく、さまざまな分野における需要予測、故障予測、不良品や不正利用のようなアノマリーの検知など、研究や生産、流通、販売などの現場でさまざまな応用が考えられます。エンタープライズの分野での機械学習のコモディティ化が促進されるのではないでしょうか。
コンテナ特化型OS
3位の「コンテナ特化型OS」は、Dockerを中心とするコンテナの利用がメインストリームになっていくことを想定したためです。
2016年にはWindows ServerもDocker対応を予定しており、主要なOSはすべてコンテナ型仮想化の機能を備えることになるでしょう。従来の仮想マシンの生成を本当に必要とする用途は減り、一般的なインスタンスの生成はコンテナの生成に置き換わっていくのではないでしょうか。
と同時に、IaaS基盤やPaaS基盤を通してITシステムを利用する傾向が増えてくると、OSがリッチな機能を要求される場面は減っていくと考えられます。コンテナ特化型OSはそうした中で存在感を高めていくと考えています。
少しだけ「ITインフラテクノロジーAWARD 2016」で審査員の議論の内幕を紹介すると、ここであげた1位から3位の技術は、日経SYSTEMS編集長の森側さんが挙げた候補とかなり似たものとなっていて、我が意を得たり、と感じていました。
一方で、読者のみなさまもそれぞれ違う視点でさまざまな異論もあると思います。「こう思う!」という意見がありましたら、ぜひソーシャルメディアなどで反応していただければと思います。
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