Red Hat、AWS東京リージョンでDocker/KubernetesベースのPaaS「OpenShift Dedicated」提供開始。Googleと共同でGoogleのクラウドでも提供予定
Dockerコンテナにアプリケーションを展開すると、あとはPaaS基盤が自動的に負荷分散や障害時のフェイルオーバーなどの面倒をまとめて見てくれる。こうした機能を備えたマネージドサービスのPaaS「OpenShift Dedicated」の提供が、Amazonクラウドの東京リージョンで開始されたとRed Hatが発表しました。
「OpenShift」はRed Hatがオープンソースとして開発しているPaaS基盤ソフトウェアです。アプリケーションの実行環境としてDockerを採用し、DockerコンテナのオーケストレーションにはKubernetesを採用しています。
Red HatはこのOpenShiftの商用版として「OpenShift Enterprise」の販売を行っているほか、同社がホストするPaaS型クラウドサービス「OpenShift Origin」も提供しています。
そして今回、Amazonクラウド上での提供がスタートした「OpenShift Dedicated」は、OpenShift EntepriseのソフトウェアをRed Hatがパブリッククラウド上に展開し、マネージドサービスとして顧客に提供するというもの。
OpenShift Dedicatedは顧客ごとに隔離されたシングルテナントとなっており、基本パッケージにはコンテナベースのアプリケーションをデプロイするための9ノードのサーバ、100GBのSSDストレージ、48TBのネットワークIOPSが提供され、Amazonクラウド上のVirtual Private Cloud機能とVPNが利用可能。
OpenShift Dedicatedでは、PHP、Python、Ruby、Perl、Node.jsなどの実行系が利用可能で、MongoDB、MySQL、PostgreSQLなどのデータベース、JBoss A-MQ、JBoss DataGrid、JBoss EAP、JBoss Web Serverなどのミドルウェア、Jenkins 1.6などのツールの環境があらかじめ用意されています。
GoogleとRed Hatが共同でOpenShiftの対応作業
Red Hatはまた、Googleと協力してOpenShift DedicatedをGoogle Compute Engineへも対応させる作業を進めていることが、Google Cloud Platform Blogにポストされた記事「Google and Red Hat integrate OpenShift Dedicated and Google Cloud Platform to make adopting containers easier」。
GoogleはKubernetesをオープンソースとして寄贈するなど、コンテナ技術をクラウドで利用することに積極的です。OpenShiftはその点でGoogleにとってぜひ対応したいPaaS基盤ソフトだといえるでしょう。
Google Compute Engine上でのOpenShift Dedicatedの提供は、数カ月程度で行われると説明されています。
あわせて読みたい
ワールドワイドのクラウドサービス市場は5年で2倍に成長、ほとんどのソフトベンダはSaaS/PaaSベースのコードへシフト。IDCが予測
≪前の記事
アマゾンウェブサービスジャパン、「市場の拡大期に入った」とパートナー数の増大強化を発表