さくらインターネットが「OpenFogコンソーシアム」に参加。フォグコンピューティング推進、「さくらのIoT Platform」を実証実験に提供
フォグコンピューティングを推進するためにシスコ、インテル、マイクロソフト、デル、ARMなどが設立した団体「OpenFog Consortium」に、さくらインターネットがコントリビューティングメンバーとして参加し、2016年中に正式サービスとして提供予定で現在アルファテスト中の「さくらのIoT Platform」を実証実験環境として提供することが発表されました。
フォグコンピューティングとは、IoTにおいてセンサーやデバイスに近い部分にコンピューティングパワーを配置することで、センサーなどから発生する膨大なデータをそのままクラウドなどへ転送するのではなく、ノイズ排除やフィルタリング、特徴的なデータの抽出、集計、データ変換や一時保管などの処理を行い、センシティブなデータの拡散防止やエッジにおける適切な即時対応の実現、ネットワークとコンピュータ資源の効率的な利用などを実現しようとする構想です。
コンピュータ資源を、空にある雲(クラウド)に置くだけでなく、地上の霧(フォグ)としても広く配置しようとする考え方、とも言えるでしょう。
しかしフォグコンピューティングはまだ構想段階であり、アーキテクチャや通信環境、相互運用性、セキュリティのあり方、やりとりされるデータの形式など、実現するためには多くの技術的課題が存在します。
こうした課題を解決するため、フォグコンピューティングのリファレンスアーキテクチャの開発やユースケースと要件の特定、実証実験、啓蒙活動などを行うのが「OpenFog Consortium」です。
標準化を通じてさくらのインフラを世界中で使ってもらいたい
今回、さくらインターネットが実証実験環境として提供する「さくらのIoT Platform」は、デバイスに組み込むことでソフトバンクやNTTドコモなどのキャリアの通信回線を通じてデバイスをネットワークに接続できる「さくらのIoT通信モジュール」と、その接続を受けてデータの保存、加工などを行うデータベースなどのサービス、それを外部のアプリケーションから呼び出せるAPIなどが一通り揃った、文字通りIoT向けのプラットフォームサービス。
同社は実証実験環境の提供とともに、日本でのOpenFog Consortiumの運営を担う「Japan Regional Committee」にも、同社フェローの小笠原治氏とさくらインターネット研究所の松本直人氏が参加することが発表されました。
同社フェローの小笠原治氏は「活動を通じて標準化などを促進し、私たちのインフラを世界中で使ってもらえるようにしたい」と、コンソーシアム参加への狙いを話しています。
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