Nutanix、中小規模向けの低価格なハイパーコンバージド「Nutanix Xpress」発表
ハイパーコンバージドインフラストラクチャ市場の代表的なベンダであるNutanixが、中堅中小規模の企業向けに低価格のアプライアンス「Nutanix Xpress」を発表しました。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャは、サーバ、ストレージ、仮想化ソフトウェアを統合したアプライアンス。一般に、1台の筐体の中に最大4台のサーバノードが搭載され、それぞれのノードがストレージを内蔵しています。
これらのノード群は仮想化ソフトウェアによって統合管理され、スケールアウト可能な仮想マシンとストレージを実現します。
中堅中小規模向けのNutanix Xpress
中堅中小規模の企業は専任のIT管理者がいないことも多く、管理に手間の掛かる共有ストレージや仮想化ハイパーバイザなどが求められる仮想化基盤の導入は大企業ほど進んでいないと見られています。
Nutanix Xpressは、共有ストレージが不要で最初から仮想化ハイパーバイザなどが統合されているといったハイパーコンバージドインフラストラクチャとしてのアプライアンスの特長を活かし、より簡単な導入や管理を実現したもの。
また、高価なライセンスが必要なVMwareのソフトウェアではなく、KVMをベースに同社が開発したハイパーバイザAHVをデフォルトで採用することでコストを抑えるとともに、サーバのハードウェアと仮想化ハイパーバイザの統合管理ソフトウェアも備え、さらにAmazonクラウドもしくはMicrosoft Azureのクラウドへのバックアップ機能も備えることで、オールインワンを実現しました。
Nutanix Xpressのハードウェアスペックは最小構成で1筐体3ノードから。ノードごとに2基のXeon E5プロセッサ、64GBから最大512GBメモリ、480GBから最大1.9TBのSSDと2台の2TBから最大6TBのHDDなどの構成です。
予想価格は2万5000ドル(1ドル110円換算で275万円)から。米国では7月から出荷開始。
Nutanix Xpressに込められた2つの狙い
ハイパーコンバージドインフラストラクチャの市場は、仮想化基盤の中でもっとも成長しているセグメントで、米調査会社のガートナーは5年以内にメインストリームになると予測しています。
事実上Nutanixが切り開きリードしてきたこの市場には、この数年でEMCとその傘下のVCEやHPE、シスコなど大手サーバベンダの本格参入が相次いでいます。
NutanixがXpressを投入した背景には、大手ベンダとの競争の中でまだ比較的手つかずの新しい市場を開拓することと、そしてEMC傘下にあるVMwareの影響力をできるだけ避けた製品展開をするという2つの狙いがあるものと考えられます。
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