マイクロソフト、.NETの分裂を未然に防ぐための標準仕様「.NET Standard」を策定
マイクロソフトの開発環境の中心的な存在といえる.NETには、大きく分けて3種類の.NETがあります。
1つ目はWindowsに対応し、.NETの全機能を備える.NET Framework。2つ目は.NET Frameworkのサブセットであり、Windows、Linux、OS Xに対応したサーバサイドアプリケーション向けの.NET Core。3つ目は主にiOSやAndroidなどのモバイルアプリケーション開発に用いられるXamarinです。
この3つを図にすると、次のようになります。
つまり.NETは共通のC#言語やコンパイラ、ランタイムを持ちながらも、複数の実装が存在しているわけです。
.NETはオープンソースで開発されていることもあり、今後さらに特定のデバイス用の.NETや特定の用途向け.NETなどのフォークが登場してくる可能性があります。こうした状況が将来的に.NETの分断につながらないよう、マイクロソフトは.NETが備えるべきAPIなどを定めた「.NET Standard」仕様を発表しました。
.NET Standardはライブラリ「.NET Standard Library」として実装され、あらゆる.NET系フレームワークの共通基盤となります。そしてデベロッパーは基盤となるこの.NET Standard Libraryをマスターすればよいことになる、と説明されています。
実は.NET Coreが正式にリリースされた今年の6月の時点で、.NET Frameworkと.NET Core、Xamarinに共通した.NET Standard Libraryの将来構想が発表されています。そのときの.NET Standardがバージョン1.0であり、今回の.NET Standardのバージョンは2.0となっています。
.NET Standard 2.0は、以下のような要素から構成される計画です。アプリケーションの基盤として必要な要素が網羅されているといえるでしょう。
.NET Standard 2.0は次のVisual Studioのリリースに合わせて登場予定とのことです。
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