デル、Linuxを採用したホワイトボックススイッチ用OS「OS10」発表。ASIC抽象化API対応、Linuxアプリでユーザーがスイッチを拡張可能
ネットワークスイッチなどのネットワーク機器は、これまではネットワーク機器専用ハードウェアに専用のOSが搭載されたアプライアンスとして提供されることが一般的でした。しかしここ数年、x86サーバのような汎用ハードウェアをネットワーク機器としても用いる、いわゆるホワイトボックススイッチに注目が集まっています。
その背景には、クラウドなどの大規模データセンターなどで柔軟にネットワーク機器を調達し、利用したいというニーズがあります。
例えばFacebookは同社が主導するOpen Compute Projectで、オープンなスイッチ「Wedge」の仕様を公開。HPも昨年、Linuxベースのスイッチ用OS「OpenSwitch」をオープンソースで公開しており、マイクロソフトもLinuxベースのデータセンタ向けスイッチOS「Azure Cloud Switch」の開発を明らかにしています。
Linuxアプリケーションでスイッチのカスタマイズも可能
米デルは1月20日、ホワイトボックススイッチに対応したOS「Oparating System 10」(OS10)を発表しました。
OS10はベースとなるLinuxと、その上で実行されるオプション部分に分かれており、オプション部分ではL2、L3スイッチ機能のほか、ポリシーコントロール、管理サービスなどが提供されます。
またOS10にはサードパーティ製のアプリケーションも実行可能で、セキュリティサービスやファブリックサービス、自動化ツールなどの機能をあとから付加することも可能。
また、Linuxであるため、その上で独自のLinuxアプリケーションを実行することも可能で、顧客ごとに独自の機能を備えたスイッチへのカスタマイズもできるようになっています。す。
ホワイトボックススイッチでは、高速なネットワーク機能を実現するためのASICが搭載されていることが一般的です。ASICにはさまざまな種類があるため、OS10ではASICを抽象化するためにOpen Compute Projectが定めているAPIの「SAI」(Switch Abstraction Interface)にも対応しています。
OS10のベースとなるLinux部分は3月に、その上のアプリケーションモジュールは今年後半にベータテストに入るとのことです。
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