jQuery登場から10周年。jQuery 3.0ベータ版が公開
2006年1月14日、ニューヨークで開催されたイベント「BarCampNYC」で John Resig氏が「jQuery」と名付けたJavaScriptライブラリを初公開しました。
そこからちょうど10年。jQueryはWebアプリケーション開発において欠かせない存在となっています。John Resig氏は当時を振り返る記事「10th Anniversary of jQuery」を自分のブログに投稿。次のように感謝を伝えています。
I’m most happy that it’s empowered so many people to build things on the web, I’m so glad to have been a part of it all. I can’t wait to see where we’ll be another 10 years from now!
またjQueryのオフィシャルブログでも記事「Ten Years of jQuery and Beyond | Official jQuery Blog」が投稿されており、jQueryのこれまでの成功を振り返っています。
jQuery 3.0ベータ版が登場
そして今日、jQueryの次のメジャーバージョンアップとなる「jQuery 3.0」のベータ版が初めて公開されました。
現在jQueryには、IE6を含む過去のブラウザもサポートする「jQuery 1.x」と、モダンブラウザのみをサポートする「jQuery 2.x」の2つのラインがあります。
jQuery 3.0はモダンブラウザのみをサポートするjQuery 2.xラインの延長線上にあるものです。
jQuery 1.xと2.xの違いは対応するブラウザが異なるだけで、基本的に利用できるAPIは互換性があります。モダンブラウザのみをサポートする2.xラインは、より軽量で高速化をはかったものといえます。
一方、jQuery 3.0はこれまでのjQueryの機能を踏襲しつつも、APIの互換性が一部なくなっています。
jQuery 3.0の下位互換性については、次のように説明されています。少し長いですが「jQuery 3.0 Beta Released」から引用します。
Despite the 3.0 version number, we anticipate that these releases shouldn’t be too much trouble when it comes to upgrading existing code. Yes, there are a few “breaking changes” that justified the major version bump, but we’re hopeful the breakage doesn’t actually affect that many people. The jQuery Migrate 3.0 plugin, when released, will help you to identify compatibility issues in your code as well.
3.0というバージョン番号にもかかわらず、このリリースは既存のコードに対してアップグレードしたときにもそれほど大きな問題は起こらないだろうと予想している。たしかに、メジャーバージョンの違いによる“非互換性”はあるが、それは多くの利用者に実際に影響を与えるものではないことを望んでいる。
jQuery Migrate 3.0 pluginがリリースされれば、利用者のコードのどこに互換性の問題があるかを見つける助けになるだろう。
ここからは、jQuery 3.0でもそれほど大きな非互換性は発生しないであろうと言うことと、jQueryの開発者たちができるだけ互換性を保とうとしていることが読み取れます。
ちょうどマイクロソフトが2日前の1月13日をもってレガシーなWebブラウザのサポートを事実上終了しました。モダンブラウザが支配的になった市場で、jQueryは次の10年も重要な存在でありつづけるでしょうか。
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