日本IBMクラウド事業のトップに、元日本オラクルの三澤智光氏が就任。会見で、IBMはクラウドでのミッションクリティカルなシステム構築に強みと
日本IBMは7月1日付で取締役専務執行役員 IBMクラウド事業本部長に、元日本オラクルの三澤智光氏が就任したことを発表。今日7月7日に、三澤氏が会見を行いました。
三澤氏は日本オラクルを今年3月に退職。かつては同社の顔としてデータベース事業やクラウド事業などを牽引し、「ミスターオラクル」と評されることもありました。
三澤氏は日本IBMにおいて、これまで分かれていたIaaS型クラウドサービスの「SoftLayer」の部門とPaaS型クラウドサービスの「Bluemix」の部門を包括するクラウド事業全体の責任者。上司は代表取締役社長執行役員ポール与那嶺氏で、三澤氏が日本IBMにおけるクラウド事業のトップとなります。
三澤氏は会見で、IaaSは各社サービスが似てきており差別化は早晩難しくなるだろうが、IBMはPaaSやさらにその上のレイヤのSaaSやコグニティブコンピューティングを提供し、しかもオープンなテクノロジーで構築していることが強みであると指摘。
AWSやマイクロソフト、Googleといったクラウドベンダに対してIBMがどう戦っていくのかという質問については、顧客基盤とミッションクリティカルなアプローチに強みがあると、次のように発言しました。
「今の日本IBMがもっている顧客基盤、お客様からの信頼は厚いものがあります。この堅牢なお客様の基盤に対して、クラウドが入って行けているかというとまだまだで、そこに大きなオポチュニティがあると感じています。もっと真剣にお客様の環境をモダナイズするアプローチをとれば、短期的には日本での導入例を増やせると思っています。
ハイブリッドな環境、あるいはSoR(注:System of Record。従来の業務アプリケーションなど)をモダナイズしたいという要望があったとき、現行のクラウドベンダーには難しさがある。ミッションクリティカルなシステムを作るカルチャーは一朝一夕には醸成されない。そこがIBMが強いものを持っていると思うので、短期的に大きくできると確信しています」
一方、中長期的にはWatsonのようなコグニティブコンピューティングが強みになるだろうと三澤氏。
「中長期的には、コグニティブという新しい概念を取り入れたアプリケーションが発展していくと思います。この新しい概念を取り入れたアプリケーションを支えるために、クラウドプラットフォームが重要になってくる。そういう新しい時代をわれわれのクラウドはいいポジションで引っ張っていけるのではないかと思います」
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