新分散オブジェクトストレージサービス「IBM Cloud Object Storage」発表。データを暗号化し分散。一部が失われても復元可能。買収したCleversafeをベースに
米IBMは、新しい分散オブジェクトストレージサービス「IBM Cloud Object Storage」を発表しました。同社が買収したCleversafeをベースにStorage-as-a-Serviceとしたもの。
IBM Cloud Object Storageの大きな特長は、保存するデータを暗号化した上で複数の断片に分割。それぞれの断片に誤り訂正符号を付加した上で異なるサーバやデータセンターに分散して保持する点にあります。
これにより、万が一データの断片が漏洩したとしても全体を復号することはできず、高いセキュリティを実現すると同時に、万が一データの断片のいくつかが事故で失われたとしてもデータ全体を復号可能にする耐障害性や冗長性を同時に実現しています。
IBM Cloud Object Storageの基となったCleversafeはIBMによる買収前からKDDIのクラウドサービスで採用されており、そこではデータが18の断片に分割されて別々のサーバに保持され、そのうち11個が揃えば元のデータを復元できると同社のCEOがインタビューで答えています。
IBM Cloud Object Storageは、断片化したデータを少なくとも3つの異なる地域に保存する「Cross Region Service」と、断片化したデータを指定された地域内の複数のデータセンターに保存する「Regional Service」の2つのオプションで提供しています。
URL短縮サービスのBitlyはこのIBM Cloud Object Storageを採用し、500テラバイトにのぼる10億件のデータの保存を行っているとのことです。
Adopting IBM as its exclusive #cloud platform, @Bitly migrates 1B datasets to #IBMCloud Object Storage. Details: https://t.co/7aqJUQzhqU pic.twitter.com/qo7EsCRsCA
— IBM Cloud (@IBMcloud) 2016年10月13日
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