HTML 5.2の勧告を2017年11月とする工程表が提案される
W3CのWeb Platformワーキンググループ共同チェアのLéonie Watson氏は、11月21日付でHTML 5.2の工程表を提案するメール「Timeline for HTML5.2」をメーリングリストに投稿しました。
現バージョンのHTML 5.1は11月1日に勧告され、HTML 5.2の策定が進んでいます。HTML 5.2は現在ワーキングドラフトの状態です。
提案によると、このワーキングドラフトを2016年12月から2017年5月まで毎月アップデートし、2017年6月6日時点で勧告に向けてCFC(Call for Consensus)にまわすとのこと。同時に、この時点でこれをHTML 5.3の最初のワーキングドラフト(FPWD:First Public Working Draft)としてフォークします。
2017年6月20日にはHTML 5.2の勧告候補(Candidate Recommendation)を公開、W3C諮問委員会(Advisory Committee)にレビューを依頼。
2017年9月1日に勧告候補の段階を終え、勧告案(Proposed Recommendation)へ移行するための CFCへ。9月14日にはHTML 5.2の勧告案を発行。
2017年10月16日にW3C諮問委員会の勧告案レビューが終了。2017年11月1日に、HTML 5.2をW3Cの勧告にする、という見通しです。
HTML5はWHATWGとW3Cの両方で作業が進む
HTML 5.1が勧告されたときにも書きましたが、HTML5の仕様策定は、Web Hypertext Application Technology Working Group(WHATWG)とW3CのWeb Platform Working Group(WPWG)の両方で進められ、しかもWHATWGの仕様のほとんどをWPWGが参照しつつもわずかに異なる部分もあるという、微妙な状況にあります。
WHATWGはHTML5をつねにアップデートし続けており、W3Cはそれを一定期間ごとにスナップショットのようにいったん内容を固定し、バージョン番号を付けて勧告にしている、と言っていいでしょう。
この状況については、Publickeyの記事「まだぼやけているHTML5の将来、WHATWGとの二重管理のジレンマ。W3C TPAC 2015」や、HTML5Experts.jpの記事「W3Cが「HTML 5.1」を勧告、レスポンシブイメージへの対応など。次のHTML 5.2は2017年末頃を目指す - Publickey」などが参考になります。
おそらくこれから数年は、こうした状況が続くものと思われます。
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