GoogleがAWS Lambda対抗「Google Cloud Functions」を公開。Node.jsによるイベントベースのJavaScript環境。サーバレスアーキテクチャ普及へはずみ
Amazonクラウド上での、イベントドリブンかつ非同期なJavaScriptの実行環境として「AWS Lambda」が発表されたのは、2014年11月に行われたイベント「AWS re:Invent 2014」においてでした。
AWS Lambdaはマネージドサービスとして提供されるため、利用者はサーバのスケーラビリティや運用管理などを気にする必要がなく、何らかのトリガーに基づく処理をクラウドで容易に実行するシステムを構築できるようになりました。
AWS Labmdaの登場は、「サーバレスアーキテクチャ」と呼ばれる、サーバの保有や運用を考える必要のない新しいクラウド活用のトレンドを生み出そうとしています。
Google Cloud Functionsの登場
そのAWS Lambdaに対抗するような新機能がGoogle Cloud Platfromに追加されたことが明らかになりました。「Google Cloud Functions」です。
Google Cloud Functionsは次のようなものだと説明されています。
Google Cloud Functions is a lightweight, event-based, asynchronous compute solution that allows you to create small, single-purpose functions that respond to cloud events without the need to manage a server or a runtime environment.
Google Cloud Functionsは軽量でイベントベース、非同期のソリューションであり、クラウドのイベントに反応する、小さくて明確な目的のためのファンクションの開発を実現します。サーバや実行環境の管理は必要ありません。
Google Cloud FunctionsはNode.jsをベースにしたマネージドなJavaScript実行環境で、Google Cloud StorageもしくはGoogle Cloud Pub/SubからのイベントやHTTPからの呼び出しによってファンクションを起動できるようになっています。
これはほぼAWS Lambdaの機能をGoogleが追いかけたものといえるでしょう。AWS LabmdaはすでにJavaScriptだけでなくJavaやPythonにも対応し、Amazon API Gatewayとの連係やAmazon VPCへの対応など、高い利便性と機能、そして1年以上の実績を備えています。
Google Cloud Functionsはアルファ版として限定公開が始まったばかりで、これからこのAWS Lambdaを追いかけることになります。
一方で、このGoogle Cloud Functionsの登場は、AWS Lambdaの登場によって生まれたサーバレスアーキテクチャの普及を加速していくことが予想されます。
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