Fusion-ioのioMemoryは全然すり減らない? 最新の3D NANDフラッシュメモリは64層へ。大手データセンター事業者による次世代フラッシュへの取り組みとは[PR]
Fusion-ioと言えば、圧倒的に高速なフラッシュストレージを提供することで数年前から知られていた存在です。同社は2014年にサンディスクに買収され、そのサンディスクは現在ウエスタンデジタル傘下の1ブランドとなっていますが、もちろんその製品の性能はいまでも向上しており、現在ももっとも高速なストレージの一角を占めています。
その旧Fusion-io、現SanDiskブランドのフラッシュストレージ「Fusion ioMemory」を、3年前からデータセンターで顧客向けにサービスとして提供してきたのがIDCフロンティアです。
同社はきわめて高い性能と信頼性を備えたインフラが要求されるデータセンター事業者として、3年前からioMemory製品をサービス化してきました。
そしてサンディスクとIDCフロンティアの両社は2016年10月、ioMemoryのサービスリリース3周年を記念してパーティ「超高速フラッシュカンファレンス」を開催。フラッシュストレージの現実と未来などについて説明を行いました。
サンディスクのフラッシュメモリはすべて四日市工場で製造される日本製
フラッシュストレージの知られざる裏側と将来像を語ったのは、サンディスク エバンジェリストの山本哲也氏。
山本氏は、フラッシュメモリは日本人が開発したものだと紹介したうえで、15年以上にわたって東芝とウエスタンデジタルが合弁で運営している四日市工場は、ウエスタンデジタルにとっても業界にとっても非常に重要な製造拠点と説明します。
「弊社のフラッシュメモリはすべて、四日市工場で作られている日本製です」と山本氏。
サンディスクの製品には「Made in Japan」のラベルはついていませんが、これは最終工程を海外で行っているため。同社は全世界に製品を供給するために、四日市工場で生産されたフラッシュメモリを毎日、海外へ空輸しているとのこと。
そしてこの日本製のフラッシュメモリは全世界市場の40%以上のシェアを占めており、それゆえに「もしなんらかの要因で工場の操業が停止するようなことがあれば、とても大きな影響があるでしょう」(山本氏)
最新の3D NANDフラッシュメモリは64層へ
山本氏は、フラッシュメモリがこの20年以上にわたり技術革新を続けてきたことを指摘。例えばサーバサイドのオールフラッシュストレージを切り開いてきたioMemoryは、登場した頃と比較して容量は10倍に、価格は10分の1になり、性能は4倍ほどになっています。また、3ラックユニットで最大512TBもの大容量のフラッシュストレージも提供できるようになっています。
「2D NANDではプロセスの微細化を進めることでムーアの法則を凌駕する容量の向上を実現してきました。最先端の製造プロセスは2014年に発表した15nmですが、加えて3D NANDを推進することで、さらなる集積率と性能向上を実現させていきます」(山本氏)
最新のフラッシュメモリでは、1チップで256Gbit、64層まで製造技術が進んだことにも言及されました。
「ウエスタンデジタルは7月25日に世界で初となる64層 3D NAND技術を発表しました。四日市工場の新第2製造棟の完成にとどまらず、今後もさらなる投資を続けていきます。ここで生産される3D NANDはさまざまな製品に採用され、ゆくゆくはエンタープライズ向けの製品にも搭載されていくことになるでしょう」(山本氏)
フラッシュを選択することは間違っていない
フラッシュメモリのメモリは今後どうなっていくのでしょうか。
山本氏は、次世代の不揮発性メモリ技術であるReRAM(Resistance Random Access Memory:抵抗変化メモリ)を挙げ、ウエスタンデジタルもこのReRAMに取り組んでいるという話をしました。
「ReRAMはNANDフラッシュメモリと比べてより高速で耐久性に優れているなどの特性があります。これがストレージ並みの容量を持つメモリ『ストレージクラスメモリ』の登場につながっていき、データセンターのアーキテクチャにさらなる革新を促進することになるでしょう」と、今後さらに大容量で高速な方向へ進化していくと指摘。
「フラッシュを活用されているユーザーは将来のITインフラに通ずる高いエクスペリエンスを得られています。そのうえでもいま、フラッシュを選択することは間違っていない」という言葉で山本氏はセッションをまとめました。
積極的にフラッシュストレージに取り組んできたIDCFの歴史
続いて登壇したのは、IDCフロンティアでストレージ周りを中心にクラウドの設計、構築、運用を担当するプラットフォームエンジニアリング部 金井崇氏。
金井氏はioMemory搭載サーバの開発も担当しているとのこと。
IDCフロンティアは2011年にSSDを使い始め、2013年にはioDrive2対応のベアメタルサーバをサービス化、2014年には第三世代のioMemory対応、2015年にはオールフラッシュストレージを導入、そして2016年にはVSANを使ったオールフラッシュプライベートクラウドを発表するなど、積極的にフラッシュストレージに取り組んできたと金井氏。
そしてIDCフロンティアでテクニカルエバンジェリストの肩書を持つ藤城拓哉氏は、IDCフロンティアが2013年にioDriveのサービスを開始してから3周年の感謝を参加者に表した上で、現在は専有仮想マシンとベアメタルサーバの2つのタイプでioMemoryを提供していると紹介。
ioMemoryは非常に壊れにくい
藤城氏は、ioMemoryを大規模導入してきたデータセンター事業者の知見としてioMemoryは非常に壊れにくいと指摘します。
「そもそもioMemoryが死ぬっていうのは、1つはエンデュランスを使いきったとき。ただしこれまで使い切ったユーザーはいません。またあるお客様が使ったioMemoryを次のお客様に貸し出すときにはエンデュランスを確認していますが、社内で決めているしきい値を切ったこともありません。ioMemoryは耐久性が高いのかなと思っています」(藤城氏)
それでももしioMemoryが壊れたら、IDCフロンティアでは24時間365日のオンサイト保守が受けられ、しかも再発防止のための原因解析も依頼するなど、万全の体制を敷いていることを藤城氏は説明し、データセンターのサービスとしてioMemoryを利用するメリットを訴えます。
「最近はさらに壊れなくなっていると思いますが、でも冗長化はしてください(笑)」(藤城氏)
さらに藤城氏はデータセンターでioMemoryを利用するメリットとして、ioMemoryの性能を最大限引き出すためのチューニングが行われることも挙げました。
「ユーザーが手を付けられないようなuEFI/BIOSのところも、弊社とサンディスクさんでベンチマークをしながらパラメータをチューニングして最適化しています。その際にはサーバーメーカーさんにパラメータを変える際のリスクについても確認しつつ行っているので、最高のパフォーマンスが出せる状態になっていると思います」(藤城氏)
こうした細かいチューニングはベンダーとの太いパイプを持っているデータセンター事業者だからこそ実現できるものと言えるでしょう。
藤城氏はioMemoryをデータセンターで使うメリットとしてさらに、ioMemoryと定価で400万円以上するサーバの組み合わせを低額の月額料金で使え、しかもそれが2営業日で利用可能になる迅速性を指摘し、さらに運用監視もIDCフロンティアにまかせることも大きなメリットだとしました。
次世代フラッシュのNVMeやNVDIMMも採用に向けて評価
藤城氏は、今後のIDCフロンティアのロードマップとして、ioMemoryの最新製品はもちろん、普及が進む「NVMe」やさらにI/Oが高速な「NVDIMM」といった技術の採用が想定されていることも明かしています。
IDCフロンティアではすでにNVMeおよびNVDIMMの評価も実施。NVMeはOS標準のドライバーで利用でき、安定して高い性能を発揮できることをベンチマークで確認しています。また、サンディスクと同じくウエスタンデジタル傘下のHGSTブランドで提供されるHGST Ultrastar PCIe NVMe SSDの評価も検討しているといいます。
さらにNVDIMMではメモリと同等のI/O速度が利用できつつストレージのようにデータが維持され、しかも非常に高い書き込み性能を実現しています。
今後NVMeやNVDIMMのサービス化にあたり、IDCフロンティアはお客様からの意見や要望を参考にしたいと説明しました。
藤城氏は、IDCフロンティアがioMemory性能や運用にこだわりを持ってサービスを提供していること、そして今後もさらにすぐれたサービスを提供していくためにお客様の要望に耳を傾けていくことを約束して話をまとめました。
(本記事はサンディスク株式会社提供のタイアップ記事です)
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