インテル、FPGA大手のアルテラ買収を完了。「FPGAビジネスを成長させるため、ムーアの法則を適用していく」
米インテルは米アルテラの買収を完了したと発表しました。アルテラはインテルの一部となり、「プログラマブルソリューショングループ」と呼ばれる事業部になりました。
アルテラは、チップ内部のロジックをソフトウェアによってあとから自由に書き換えられるLSIの一種「FPGA」(Field Programmable Gate Array)の大手。チップに専用処理ロジックを持つことで、汎用チップと比較して特定の処理を高効率かつ超高速に処理する能力を備えられます。
インテルのブライアン・クルザニッチCEOは買収完了にあたり「われわれはFPGAビジネスを成長させるため、ムーアの法則を適用していく」とコメントしています。
インテルの主力製品である汎用プロセッサは、ムーアの法則に従って急速に微細化を進めてきました。クルザニッチCEOのコメントは、汎用プロセッサと比べて微細化の余地が残されているFPGAでも、ムーアの法則に従った急速な微細化を進めていくとの宣言と言えるでしょう。
プログラマブルソリューショングループは既存のアルテラ製品ラインをすべて扱い、また予定されていた製品の提供も行うと同時に、データセンター向けおよびIoT向けの新製品開発にも取り組みます。
XeonとFPGAを統合
インテルは2015年6月にアルテラの買収を発表した際、アルテラのFPGAをインテルXeonプロセッサと組み合わせた製品を提供する計画があることを明らかにしています。
まずは同一パッケージ内にFPGAのコアとXeonのCPUコアを納め、最終的にはCPUとFPGAの統合をはかる見通しです。暗号化や画像処理、ニューラルネットワーク処理などのロジックをチップ内部に持てるようになり、高効率かつ高速処理が実現できます。アルテラ買収の完了で、このロードマップは着実に現実化していくことになるでしょう。
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