[速報]オラクル、クラウドERPのNetSuite買収を発表

2016年7月29日

米オラクルは、クラウドERPベンダとして知られるNetSuiteの買収を発表しました。買収額は93億ドル(1ドル105円換算で9765億円)。

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プレスリリースでは、オラクルは引き続きNetSuiteを独立したクラウドサービスとして今後も維持、強化していくことを表明しています。

“Oracle and NetSuite cloud applications are complementary, and will coexist in the marketplace forever,” said Mark Hurd, Chief Executive Officer, Oracle. “We intend to invest heavily in both products—engineering and distribution.”

「オラクルとNetSuiteのクラウドアプリケーションは補完的で、永遠に市場で共存しつづけるだろう」、オラクルのCEOであるMark Hurdはこう語りました。「私たちはどちらに対しても、製品開発、販売の両面において積極的に投資していくつもりだ」

NetSuiteは1998年に創業し、SaaS型クラウドサービスとしてERPを提供してきた企業。クラウド市場のなかではもっとも長い経験を持ち、SaaSの市場を開拓してきた企業の1つ。

同社はまた、創業時からオラクルのラリー・エリソン氏が投資家として参加していることでも知られています。

そのオラクルは現在、遅れて参入したクラウド市場での巻き返しをはかっています。今回買収したNetSuiteが展開するクラウドサービスでERPを提供する分野は、Amazonクラウドが圧倒的にリードするIaaS市場や、IBMなどが積極的に投資するなどレッドオーシャン化が進むPaaS市場、Salesforce.comが大きな存在感を示しているSaaSのCRM市場に比べると、突出したプレイヤーが存在せず、しかも多くの企業のERPはまだオンプレミスで動いているため、市場に大きな成長余地があるのは確実です。

しかもオラクルのクラウドERPが大企業向けを得意とするのに対し、NetSuiteは中堅中小を得意としていることもあり、オラクルはNetSuiteを買収することでERPサービスの分野で強力な製品ポートフォリオを持てるようになり市場で有利な戦いを展開できると見られます。

今回の買収は、オラクルがERPサービス分野で市場をリードする打ち手を確実にする、という計算があったのではないでしょうか。

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Junichi Niino(jniino)
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