ECMAScript 2016の言語仕様をECMA Internationalが承認。正式版として公開
ECMA Internationalは、いわゆるJavaScriptの最新の言語仕様となる「ECMAScript 2016」(ECMA-262 7th Edition)を、6月14日に行われた第111回総会(The 111th General Assembly)で承認、仕様を発表しました。
JavaScriptは1995年に最初のバージョンがNetscape Navigator 2.0で実装され、1997年にはECMA Internationalによる最初の標準化仕様となるECMAScript 1st Editionが登場。1998年にECMAScript 2nd Edition、1999年に3rd Editionとバージョンアップを重ねてきましたが、4th Editionの標準化に失敗するなど長い空白期間を経て2009年に10年ぶりのバージョンアップとなるECMAScript 5th Editionが登場、2015年にはECAScript 6th Editionが発表されています。
今回承認されたECMAScript 2016はECMAScript 7th Editionとなりますが、前回のECMAScript 2015(ECMAScript 6th Edition)からは言語仕様を毎年改訂することとなったため、ECMAScipt 2016のように年号で呼ぶことが主流になるようです。
毎年のECMAScriptの改訂は、次のような5つのステップを経て安定した個々の仕様を、その年の標準仕様に取り組んでいく、という方法で行われます。
0:Strawman
1:Proposal
2:Draft
3:Candidate
4:Finished
こうした積極的な言語仕様の改訂による新機能を活用するために、BabelのようなJavaScriptトランスパイラの活用が今後さらに広まっていくのではないでしょうか。
WebAssemblyの登場にも注目
JavaScript/ECMAScriptの進化がペースを増す一方で、どのWebブラウザでも実行可能かつ高速に実行できるなバイナリ形式の実装を実現しようという「WebAssembly」の開発も、Chrome、Firefox、WebKit、マイクロソフト、そしてW3CといったWebの主なプレイヤーたちによって進められています。
WebAssemblyが本格的に普及すると、ECMAScriptだけでなくWebAssemblyをターゲットとするさまざまな高級言語が登場してくることが予想できます。これからのWebはこれまでとは比べものにならないほど急速に進化し続けていくことになりそうです。
ECMAScriptの標準化を含むJavaScriptのトレンドについては下記のスライドが参考になります。本記事でも参考にさせていただきました。
あわせて読みたい
コンテナはどこで使われているか? 管理プラットフォームのシェア1位はCloud Foundry、2位はAmazonクラウド、3位はAzure。Cloud Foundry Foundationの調査結果
≪前の記事
国内企業向けサーバ、ストレージ、スイッチなどITインフラ市場、2015年のシェア、トップは富士通、2位はNEC、3位はHPE。IDC Japan調べ