Docker、コンテナ標準のOpen Container Initiativeに準拠した「Docker 1.11」リリース。これまでで最大のリファクタリング
昨年の2015年6月、それまで異なるコンテナの実装を進めてきたDockerとCoreOSは、統一したコンテナ実装の標準を作ることに合意し、マイクロソフトやインテル、レッドハット、Google、AWSなど多くのベンダとともにコンテナの業界統一仕様を推進する「Open Container Initiative」を発足させました(発表時の名称はOpen Container Project)。
そしてこのOpen Container Initiativeが推進するコンテナ標準に準拠した初めてのDocker Engineとなる「Docker Engine 1.11」のリリースが発表されました。
Docker 1.11は、従来のDocker Engineをリファクタリングし、軽量なコンテナランタイムのrunCと、それらをコントロールするcontainerdなどのモジュールに分解されています。
This is among the biggest technical refactorings the Engine has gone through, and our priority for 1.11 was to get the integration right, without changing the command-line interface or API.
これはDocker Engineのこれまでで最大の技術的なリファクタリングだ。そしてバージョン1.11においてもっとも優先されたのは、コマンドラインインターフェイスやAPIを変更することなく、こうした統合を正しく行うことであった。
(「Docker 1.11: The first OCI-compliant runtime, built on containerd」から
こうした変更を行ったにもかかわらず、Docker Engine 1.11は前のバージョンと互換性を保持しているだけでなく、コードがきれいになったことで、これまで引きずっていたバグなどが解消され、さらにコンテナの同時作成も高速化が実現。今後もさらなる高速化が期待できるとのことです。
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