コンテナに最適化したCoreOS、ブランド名を「Container Linux」に変更。背景にはコンテナ関連ビジネスの変化が
CoreOSと言えば、もともとDocker専用の軽量Linux OSとして同名のCoreOS社によって開発されたLinuxディストリビューションの1つです。その後CoreOS社はDockerのセキュリティ面の課題を解決することなどを主な理由として、独自のコンテナ実装であるrkt(当時はRocket)を開発し搭載するなど、Dockerとは異なるもう1つのコンテナ実装として知られてきました。
そのCoreOSの名称が、「Container Linux」に変更されることをCoreOS社が発表しました。
Over the years, CoreOS (the brand) has grown to represent not just a product but the leadership and expertise we provide to our customers and in the open community. So to differentiate our company from this widely used product, we have renamed CoreOS Linux to “Container Linux by CoreOS” and have given it a new logo as well.
この数年にわたり、CoreOS(ブランド名)は単なる製品としてだけでなく、オープンなコミュニティにおける私たちのお客様に対して、専門性やリーダーシップについても成長を見せてきました。そこで、この広く使われるようになった製品と私たちの社名とを分けることにしました。
私たちはCoreOS Linuxを「Container Linux by CoreOS」に名称変更し、新しいロゴを与えることにしたのです。
(「Self-Driving Kubernetes, Container Linux by CoreOS and Kubernetes 1.5」から)
なぜ社名とOS名を分けることにしたのか理由は示されていません。しかし現在のCoreOS社はコンテナのオーケストレーション機能を司るKubernetesの商用ディストリビューションである「Tectonic」や、コンテナのプライベートリポジトリを実現する「Quay」など、コンテナそのものではなくコンテナのエコシステムをビジネスの中心に位置づけています。
そのため、いつまでもLinux OSのディストリビューションの会社であるというイメージがつきまとうこと払拭したいと考え、社名とLinux OSとの名称を分けたのではないでしょうか。
これは先日、DockerがDockerエンジンのコアランタイムを「containerd」として分離し、単独のオープンソースプロジェクトにしたこととも符合する話です。
つまり、すでにDocker関連のビジネスはLinux OSやコンテナランタイムはコモディティとなり、ビジネス上の差別化をすることの意味は減少しているわけです。そこを別プロジェクトとして切り出したり、別ブランドとして位置づけ、標準化やイノベーションのために身軽にすることで、Docker社もCoreOS社もコンテナ周辺のエコシステムをビジネスの主軸としていく体制を鮮明にしているといえます。
あわせて読みたい
Angularの次バージョンは「Angular 4」に、2017年3月リリース。今後は単に「Angular」と呼んでほしいと
≪前の記事
Google、オープンソースでPaaS基盤を開発する「Cloud Foundry Foundation」加盟を発表