モバイルBaaSのParseが1年後にサービスを終了すると表明。Node.jsで動くAPI互換のParse Serverをオープンソースで公開
モバイルアプリケーション向けのバックエンドサービスとして、データベースやプッシュ通知サービスなどの機能を提供してきたParseは、1年後の2017年1月28日をもってサービスを終了すると発表しました。
We have a difficult announcement to make. Beginning today we’re winding down the Parse service, and Parse will be fully retired after a year-long period ending on January 28, 2017.
私たちは困難な発表をしなければなりません。本日より私たちはParseサービスを収束させてゆき、1年後の2017年1月28日には完全に終了することになります。
(Parse Blogの記事「Moving On」から)
これに合わせてParseは、Parse APIとほぼ互換の機能をNode.jsのアプリケーションで実現するParse Serverをオープンソースで公開しました。このParse Severをバックエンドに使うことで、現在Parseで稼働しているモバイルアプリケーションのコードを大きく変更せずに済むとのこと。
新しいParse SDKでは、APIサーバをParseから、Parse Serverが稼働する自分のサーバへリダイレクトする機能をサポートしています。
また、ParseのデータベースをMongoDBへ移行するためのマイグレーションツールも公開されました。
モバイルBaaSはPaaSの一部となっていく
Parseはモバイル向けBaaSを代表する草分け的な存在でした。2012年3月にパブリックベータを終了して正式サービスを開始。翌年の2013年4月に、モバイル向けプラットフォームを強化しようとしていたFacebookにより買収されました。
実は今回発表されたParseの終了に先立つこと2年。2014年2月には、Parseと並んでモバイルBaaSの代表的なサービスの1つだったStackMobがサービス終了を発表しています。StackMobは2013年にPayPalに買収されたサービスでした。
2016年の現在、Amazonクラウド、Microsoft Azure、Google Cloud PlatformやSalesforce.comなど、多くの大手クラウドサービスがその機能の1つとしてモバイル向けのサービスも提供しています。
少なくとも現時点では、多くのアプリケーションがモバイル向けだけではなく、PCも含めたさまざまなプラットフォームに向けて展開をするのが一般的です。また、バックエンドサービスを提供するクラウドサービスの側としても、規模が大きい方がビジネス上の優位点が多いと考えられています。
だとすれば、モバイル専用だけでなくさまざまなサービスを包含して提供する包括的なサービスである方が、より合理的で競争優位にあるサービスだと考えられるでしょう。
Facebookとしは、そうした包括的なクラウドサービスをする気はまったくなく、将来的にみてParseがAmazonクラウドやMicrosoft Azureなど総合的なクラウドサービスの一部としてのモバイルBaaSと競合して勝てるとは思えなかったはずです、それが今回のサービス終了の決断につながったのではないでしょうか。
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