オンプレミスでAzureを実現する「Azure Stack」、サーバアプライアンスとして来年中旬に提供。当初はデル、HPE、レノボの選択肢を用意
マイクロソフトが2015年5月に発表した「Azure Stack」は、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azureと一貫のあるオンプレミス用のソフトウェアです。
今年2月には最初のテクノロジープレビューが公開され、開発が進んでいましたが、マイクロソフトは7月12日付のMicrosoft Azure Blogにおいて、Azure Stackをサーバに組み込んだアプライアンスとして提供することを発表しました。
その理由として、顧客からはシステムを迅速に利用したいことと、確実な品質や信頼性を実現したいという要望があったためとしています。
To best meet these requirements, we will prioritize delivering Azure Stack as turnkey integrated systems in the initial general availability (GA) release, combining software, hardware, support and services in one solution.
こうした要望にこたえるため、私たちはAzure Stackの最初の製品版について統合システムとしてスイッチを入れればすぐ使える方法で提供することを優先することにしました。これは、ソフトウェア、ハードウェア、サポートサービスを1つにまとめたものです。
(「Microsoft Azure Stack: Delivering cloud infrastructure as Integrated Systems | Blog | Microsoft Azure」から)
その最初のハードウェアパートナーとしてデル、HPE、レノボが選択されたとのこと。
Microsoft is committed to ensuring hardware choice and flexibility for customers and partners. To that end we are working closely with the largest systems vendors – Dell, HPE, Lenovo to start with – to co-engineer integrated systems for production environments. We are targeting the general availability release of Azure Stack, via integrated systems with our partners, starting mid-CY2017.
マイクロソフトはお客様とパートナーのために、ハードウェアの選択と柔軟性の実現を約束します。そのため、本番環境のための統合システムを提供するべく、当初はデル、HPE、レノボの3社の大手のシステムベンダと密接に協力します。統合システムとしてパートナー経由でのAzure Stackの出荷予定は、いまのところ2017年中旬です。
出荷時期は来年中旬とのこと。ちなみにAzure Stackに用いられると想定されるWindows Server 2016は9月26日にアトランタで開催される同社のイベント「Ignite 2016」でローンチされるとのことです。
マイクロソフトは現在、Windows ServerやSystem Centerなどの関連ソフトウェアに、Azure Packと呼ばれるAzure的なユーザーインターフェイスを組み込んでオンプレミスでAzure的なシステムを実現するシステムを、デルなどのシステムベンダとともにアプライアンスとして「Microsoft Cloud Platform System」として提供しています。
Azure Stackもこれと同じ方法で提供されることになるわけです。
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