AWS Lambdaの互換ソフトウェア開発に向けた「Project Kratos」始動
どのクラウドでもオンプレミスでも、AWS Lambdaの機能性を実現するという「Project Kratos」をIron.ioが発表しました。
AWS Lambdaとは、Amazonクラウドが提供するクラウド上のソフトウェア実行環境です。マネージドサービスとして提供されるため、利用者はサーバのスケーラビリティや運用管理などを気にする必要がなく、何らかのトリガーに基づく処理をクラウドで容易に実行するシステムを構築できます。
Googleは先週末、このAWS Lambda対抗となる「Google Cloud Functions」のアルファ版を公開したばかり。そしてIronMQやIronCache、IronWorkerなど、マイクロサービス向けのソフトウェアプラットフォームを提供しているIron.ioが発表したのが、このAWS Lambdaの同じ機能性を持つソフトウェアを開発しようというProject Kratosです。
Project Kratosはプロジェクトが始まったばかりで、これから開発を行うという意向表明となっています。
Iron.io announced Project Kratos, which will enable enterprises to run AWS Lambda functionality in any cloud provider, as well as on-premise, eliminating vendor lock-in. Iron.io is currently seeking project members, who will provide input and feedback as the project is developed. Project members will have the option of becoming beta users.
Iron.ioはProject Kratosを発表する。これは企業がAWS Lambdaの機能性をどのクラウドでも、オンプレミスでも実現するものであり、ベンダーロックインを排除できる。Iron.ioは現在、開発にあたりプロジェクトへの協力やフィードバックをしてくれるプロジェクトメンバーを募っている。プロジェクトメンバーはベータユーザーになれる選択権を得られるだろう。
AWS LambdaはNode.jsをベースにしているため(現在ではJavaとPythonもサポートしているので、それだけではないと思いますが)、基本的な機能についての実装はそれほど難しくはないのかもしれません。ただしAWS LambdaはAmazonクラウドの機能をトリガーとするイベントベースのシステムであり、クラウドなど実行環境ごとに違うサービスとそのトリガーをどうするのかは課題になりそうです。
また、AWS Lambdaはマネージドサービスとしてサーバの運用管理やスケーラビリティを気にせずに利用できることが大きなメリットですが、その点は利用者が自分で負担しなければならないという課題もあります。
とはいえ、Amazonクラウドでしか利用できないAWS Lambdaが、ほかのプラットフォームでも利用できるようになるとすれば、それはAWS LambdaのユーザーやAmazonクラウドにとっても良い話でしょう。
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