Amazon Aurora、地域をまたがったリードレプリカが可能に。ある地域で災害が起きても、別の地域のレプリカがマスターに昇格
Amazon Aurora(正式名称:Amazon RDS for Aurora)は、Amazonクラウドがクラウドに最適化して開発したMySQL互換のリレーショナルデータベースサービスです。
クラウドに最適化したことなどにより高速で堅牢な点を特長とし、マネージドサービスとして提供されるため、セキュリティパッチの適用、データベースのバックアップといった運用をクラウドにまかせることができます。
Amazon Auroraは標準で3つのアベイラビリティゾーンごとに2つのディスクにコピーを持つという仕組みを備えています。これにより、万が一あるアベイラビリティゾーンに障害が発生しても、別のアベイラビリティゾーンのデータは失われず、全体として処理を継続できるようになっています。
このAmazon Auroraのリードレプリカを、他のリージョンに作成できる機能がリリースされたことが発表されました。
これまでのAmazon Auroraは、前述のように特定のリージョン内のアベイラビリティゾーンでデータの冗長化を実現していました。この場合、万が一にもそのリージョンが位置する地域で自然災害のような大規模な災害が発生した場合、リージョンそのものがダウンする可能性を排除できません。
Amazon Auroraの新機能となるリージョンをまたいだリードレプリカ(クロスリージョンレプリカ)は、こうした事象に対するディザスタリカバリとしてとして利用することができます。
Amazonクラウドでは、すでにMySQLをマネージドサービスで提供するAmazon RDS for MySQLで、地域をまたいだレプリカを作成する「Cross-Region Read Replicas for Amazon RDS for MySQL」を2013年にリリースしています。Amazon Auroraにも同様の機能が実装されることは十分予想されていました。
エンタープライズ向けのデータベースシステムとして、ディザスタリカバリは欠かせない要素の1つです。それを複数のソフトウェアやサービスなどを組み合わせることなく、マネージドサービスにおける一連の機能の1つとして提供できる点は、従来のデータベース製品に対するクラウドデータベースの大きな利点といえるでしょう。
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