2015年、365日のあいだ一度も落ちなかったクラウドはあるか? AWSやAzureなど主要クラウドのダウンタイムについてCloud Harmonyの調査結果
クラウドを対象にした調査会社CloudHarmonyは、おもなクラウドの稼働状況をつねにモニタリングし、稼働状況を累積表示するダッシュボード「CloudSquare」を公開しています。
これはサーバのモニタリングサービスを提供しているPanoptaの協力によって実現しているもので、Panoptaは60秒ごとにエージェントから情報を収集しているとのこと。
これを見ると、AmazonクラウドやMicrosoft Azure、SoftLayer、Google Compute Engineなど主要クラウドが過去1年にどれくらいダウンしていたのか、あるいは一度も落ちなかったクラウドがあるのかといった情報を見ることができます。
この1年、AWSやAzure、SoftLayerのダウンタイムは?
Amazonクラウドの項目を見てみましょう。Amazon EC2は過去1年の稼働率が99.9992%。2回の障害があり、合計で16.88分、リージョンあたり4.22分のダウンタイムがあったとされています。
Google Compute Engineは、過去1年の稼働率が99.9757%、合計で2.13時間のダウンタイムがありました。11月に欧州西リージョンで70分ものあいだネットワーク接続が切れるという障害が発生していたので、それが響いているのではないかと考えられます。
国内ベンダとしてIDCフロンティアのクラウドも掲載されています。稼働率は99.9986%。7.33分のダウンタイムがあったと報告されています。
マイクロソフトのMicrosoft AzureのMicrosoft Azure Virtual Machinesの稼働率は99.9996%。合計で40.07分、リージョンあたり10.02分のダウンタイムがあったとのこと。
そしてIBMのSoftLayerではSoftLayer Cloud Serversの稼働率が100%と報告されています。ただしこの数字は障害を十分検知できなかったとの注意が付いており、合計で45.36分、リージョンあたり7.61分のダウンタイムがあると報告されています。
これを見ると、さすがに2015年に一度も落ちなかった主要クラウドはなかったことになります。クラウドとは、おおむね短時間とはいえこうしたダウンタイムがあるものとして、ユーザー側のシステムの冗長構成により対応するものと言えるでしょう。
そのほか多数のベンダのさまざまなクラウドサービスにおける稼働率や障害発生数、合計ダウンタイムなどが一覧できるので、クラウドを選ぶ際の材料のひとつとして参照できるのではないでしょうか。
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