フラッシュメモリの劇的な高密度化などのおかげで、1PBフラッシュストレージの大きさは5年で250Uから5Uに。Pure Storage
フラッシュストレージの記憶媒体として使われているフラッシュメモリは、半導体の製造プロセスが進化しているおかげで年々記憶容量が増大しています。
オールフラッシュストレージの新興ベンダであるPure Storageは、同社のフラッグシップ製品である「FlashArray//m」をアップデートし、1.5ペタバイトの容量(実容量が512テラバイト、圧縮後に約1.5ペタバイト)が7Uのラックに収まり、性能が最大で20%から30%向上した新製品を発表しました。
Pure Storageだけでなく、いまや多くのストレージベンダにおいて、ハイエンドの製品ではペタバイトスケールの記憶容量となっていますが、そのペタバイトをサポートするストレージ製品の容積は劇的に減少していることが、Pure Storageがブログで公開した記事「Introducing Petabyte-Scale Flash Storage for Cloud IT」で示されています。
同社製品を例にした図では、2012年から2016年までの5年間で1PBの容量を備えたストレージ製品の容積が、6ラックから5Uへと大きく縮小しています。1ラックがおおむね40Uから42Uの高さがあるとして6ラックで約250U程度。これが5Uになっているのですから、約50分の1に縮小したわけです。
しかもよく見ると、縮小の割合は年ごとに大きくなっています。Pure Storageは「来年にはさらに小さくなっていることでしょう」とも書いています。ただし、この容量は圧縮後の容量で、必ずしもフラッシュメモリの高密度化だけが要因ではないようですが。
現在、NANDフラッシュメモリは回路の微細化の限界に近づいているため、回路を縦方向に積み上げていく3D NANDによってチップあたりの記憶容量の増大をはかっているとされてます。最新のチップでは48層で256Gbにもなっているとされており、今後しばらくはこの積層数を増していくことでよりフラッシュメモリの記憶密度が向上していくと考えられています。
あわせて読みたい
正しく運用されているかを評価するのが監視である~ゼロからの運用監視設計(前編)。July Tech Festa 2016
≪前の記事
マイクロソフト、.NETの分裂を未然に防ぐための標準仕様「.NET Standard」を策定