データセンターが大きいほどラックあたりの運用コストは下がるが、1000ラックを超えるあたりでスケールメリットは小さくなる。IDC Japan
調査会社のIDC Japanは、データセンターの保守運用コストに関する調査結果を発表しました。
データセンター設備の保守や運用管理にかかる人件費、データセンター内に設置するIT機器監視のための人件費、およびデータセンターで使用する電気代などが、データセンターの規模に対してどう変化するのか、という調査です。
一般に、データセンターの規模が大きい方が効率的に保守運用ができると考えられています。IDC Japanの今回の調査でもこの見方が正しいことは裏付けられました。発表では次のように説明されています。
今回の調査結果によると、データセンターが大きくなるほど、サーバーラックあたりの保守運用コストは減少することがわかりました。データセンターの規模が大きいほど、大量のIT機器、空調設備、非常用電源設備などの運用を集中して行うことが出来るようになるためです(スケールメリット)。
このスケールメリットがあるため、国内では小規模なデータセンターが統廃合され、大規模なデータセンターが新設されています。
ただし、データセンターの大規模化も一定の規模を超えるとそのスケールメリットは徐々に小さくなっていくこととも、IDC Japanの調査は明らかにしました。
サーバーラックの収容可能台数ベースで1,000台を超えるような規模に達すると、規模をさらに大きくしてもサーバーラックあたり保守運用コストの削減効果は限定的になります。
これを同社がグラフにしたものが下図です。
国内データセンターサービス市場は競争が激しくなっており、データセンター事業者間での事業統合や買収なども目立つようになっています。
データセンター投資は、しだいに投資効果を厳しく問われるようになっており、データセンター事業者が生き残るためには、大規模データセンターにおける運用効率の改善の取り組みが必須になっていると、IDC Japanは指摘しています。
あわせて読みたい
Amazonクラウド、韓国ソウルに新リージョンを構築。アジアパシフィックはこれで東京、シンガポール、シドニー、ソウルの4カ所に
≪前の記事
「縦書きWebデザインアワード」作品の受付スタート。Webに公開したサイトのURLなどを送るだけ