さくらインターネット、Windowsテクノロジーで構築された「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」の提供を開始
さくらインターネットは、マイクロソフトのWindowsテクノロジーで構築されたプライベートクラウドサービス「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」の提供を本日付けで開始したと発表しました。
顧客はこの「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」を利用することで、Windows Serverなどで構築された自社システムからの移行、あるいは既存のWindows Serverなどとの接続や連係が容易になります。
またマイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azureとの連係も容易でしょう。
Windows Azure Packを採用
「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」で採用された技術は、その名が示すとおりマイクロソフトが提供する「Windows Azure Pack」です。
Windows Azure Packは、Windows ServerやSystem Centerなどで構築されたシステムに対して、ユーザー自身がサーバリソースなどをプロビジョニングできるセルフサービスポータル機能や、システム全体をクラウドとして管理できる管理者ポータル機能などを追加するソフトウェア。
マイクロソフトは、Azure Packを利用することで同社の提供するMicrosoft Azureと「一貫したシステム体験を実現する」と説明しています。つまりMicrosoft Azureとの完全な互換性があるわけではないが(例えばSQLデータベースサービスやオブジェクトストレージといったクラウド的な特長を提供するサービスなどはない)、Hyper-Vによる仮想マシンの提供などの基本機能には高い互換性を有する、と言えるでしょう。
ただしマイクロソフトは5月に、「Azure Stack」と呼ばれる、Microsoft Azureと一貫した体験を構築できるソフトウェアを発表しています。Azure Stackは今年の夏にプレビュー版が提供されるというスケジュールだったため、今回のサービスには採用されなかったとみられます。
さくらインターネットは、この「さくらプライベートクラウド powered by Windows Azure Pack」の提供によって、競合のクラウドサービスでは比較的手薄と見られるWindowsテクノロジーによる企業向けのクラウドサービスに参入し、企業向けのクラウドビジネスを成長させていこうという意図があるものと考えられます。
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