不揮発性メモリが主役になる次世代マシン「The Machine」、エミュレータをオープンソースで公開。米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ

2015年12月3日

米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、従来のコンピュータのアーキテクチャを一新した次世代マシン「The Machine」を開発中です。2020年には製品としてリリースするとしています。

従来のコンピュータは、プロセッサ、メモリ、ストレージを基本的なコンポーネントとしています。コンピュータの心臓部としてプロセッサが必要なのは当然として、メモリとストレージが必要なのは、現在メモリとして使われているDRAMは電源が切れるとその内容を失ってしまうため、電源が切れてもデータやプログラムを保存できる記憶装置としてストレージが必要になるためです。

「The Machine」では高速かつ大容量の次世代不揮発性メモリによりメモリとストレージを一体化した「ユニバーサルメモリ」を用います。そして、そのユニバーサルメモリと複数のプロセッサを高速なフォトニクスネットワークで接続するという新しいアーキテクチャ、「メモリドリブンアーキテクチャ」を採用しています。

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プロセッサは得意な計算分野が異なる多種類のノードとして接続され、多様な計算を高速かつ並列に処理できます。ノードごとに異なるOSが実行できるとされています(The Machine全体を管理するOSは、Linuxのカスタマイズ版を開発しているようです)。

ノードからはすべてのユニバーサルメモリにアクセスできるため、ユニバーサルメモリは一面でプロセッサのメモリとして振る舞いつつ、一面では共有ファイルシステムのように振る舞います。

事象が起こる前に予測し解決する能力

電源を切ってもメモリ上のデータが失われず、しかも高速で大規模な共有メモリがストレージ並に豊富に用意され、そこに高速なフォトニクスネットワークで接続された大量のノードがすべてをインメモリで処理する仕組みを備えたThe Machine。

The Machineはハードウェアとして高速なだけでなく、従来のコンピュータで必要だった処理、例えばストレージからメモリへデータを読み込む処理や、分散処理のためのノード間でのデータコピー、データベースにおけるメモリキャッシュやクラッシュに備えたデータの保存などが不要になるため、飛躍的な高速処理が実現するとされています。

例えば情報を収集しながら、過去のデータを元に今後に何が起きる可能性があるかをすべて計算し、実際にそれが起こる前に解決法まで算出することも可能だと説明されています。

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The Machineのエミュレータをオープンソースで公開

米ヒューレット・パッカード・エンタープライズは、ロンドンで開催されたイベント「Discover 2015」において、このThe MachineのアーキテクチャのエミュレータをGitHub上にオープンソースとして公開しました

「The Machineがどのような変化をもたらすかを紹介した。ではThe Machineをプログラミングできるのはいつか? 体験できるのはいつか? 答えは、今日だ」(HPE バイスプレジデント CTO HP Labsディレクター Martin Fink氏。)

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Fabric-Attached Memoryでは、複数のノードが共有メモリに対してどう振る舞うのか、といったことがエミュレートされています。

The Machineで実行されるソフトウェアは、不揮発性メモリ、多数のノードと共有メモリといった新しいアーキテクチャに対応したプログラミングが求められます。エミュレータを用いることで、今後登場するThe Machineのアーキテクチャを備えたマシンの環境を仮想的に試すことができるようになっているとのことです。

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Junichi Niino(jniino)
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