SanDisk、オールフラッシュで512テラバイトを3Uの筐体に収めたストレージ「InfiniFlash」発表。エンタープライズ向けストレージシステムに本格参入を宣言
「本日、SanDiskはストレージシステムビジネスに参入することを発表する」。SanDiskのエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフストラテジックオフィサーのSumit Sadana氏は、ビッグデータ向けのオールフラッシュストレージ「InfiniFlash」の発表に合わせてこう宣言しました。
コンシューマ向けフラッシュメモリを主力としていた同社は2011年から相次いでエンタープライズ向けのストレージベンダの買収を繰り返し、昨年にはFusion-ioを買収。エンタープライズ向けストレージシステムのベンダとなるべく、着実に歩を進めてきました。
3Uの筐体に512テラバイトのオールフラッシュ
同社が発表したInfiniFlashは、3Uの筐体に最大で512テラバイトもの容量を備えることができるオールフラッシュストレージ。圧倒的な密度、フラッシュメモリによる高性能、冗長構成による可用性などを誇ります。最大で8台まで接続可能。
そして同社がInfiniFlashでもっとも訴求しているのがその価格です。「ハードウェア価格でギガバイト当たり1ドル以下、オールフラッシュシステム全体でもギガバイト当たり2ドルの壁を破った」(Sadana氏)。
InfiniFlashは、素のシステムとなる「InfiniFlash IF100」に加え、Cephを搭載しスケールアウト可能なブロックストレージもしくはオブジェクトストレージの機能を提供する「IF500」と、Fusion-io由来のアプリケーションアクセラレーションテクノロジー「ION」を搭載し、OracleやSQL Server、CassandraやMongoDBなどデータベーストランザクションの高速処理向け「IF700」をラインナップ。
製品のターゲットとして、大規模なコンテンツのリポジトリ、ビッグデータの蓄積と分析、動画配信のようなメディアサービスなどを挙げています。
同社はおもにOEMなどと協力して製品を展開していくと説明。製品提供は今日(製品発表日)からであると、これがいますぐ利用可能なテクノロジーだと強調していました。
大規模データにもオールフラッシュの時代か
これまでフラッシュストレージを展開するベンダのほとんど全ては、高速なアクセスが要求されるデータベース、あるいはトラフィックが集中するデスクトップ仮想化や仮想マシン用のサーバといった用途向けに製品を訴求していました。
それはフラッシュストレージが高価なために、性能が要求される部分にピンポイントで利用することがシステム全体の経済性の観点で合理的なためです。そしてバイト単価あたりの価格でみれば、この状況はまだ数年は続くとみられていました。
SanDiskの今回の「InfiniFlash」の展開はそうした状況を打破し、容量を必要とする用途においてもオールフラッシュのストレージを訴求するというものです。これはコンシューマ向け製品に強く、それゆえにフラッシュメモリを安価で大量に展開しうる同社の強みを生かした戦略だといえるでしょう。
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