連続稼働保証はないけど最大70%安くなる仮想マシン「プリエンプティブルVM」が正式サービスに、Google Compute Engine
Googleは、新しい仮想マシンのタイプ「プリエンプティブルVM」(Preemptible VMs。プリエンプティブではない点に注意)が正式サービスになったと発表しました。
プリエンプティブルVMには連続稼働保証がなく、クラウド側の都合によっていつでも停止させられる可能性があります。これはプリエンプティブルVMが物理マシンの中でたまたまアイドルとなっている部分などを活用して割り当てられるためです。その物理マシンの都合が変わるなどした場合、プリエンプティブルVMは停止させられてしまいます。
その代わり、プリエンプティブルVMには非常に安い価格が設定されています。
プリエンプティブルVMは連続稼働保証がない点を除けば、性能や可用性などは通常のVMと同じです。そのため、Hadoopのノードなど、アプリケーション側で冗長性が担保されていてノードが停止しても全体の稼働に影響のないシステムであれば、全体としてコストを非常に低く抑えることができます。
今回の発表では、この特長を次のような分野で生かす例があったと、次のように説明されています。
During our beta, many customers both big and small have used Preemptible VMs to realize savings for themselves — in the areas of genomics and pharmaceuticals, financial modeling and simulation, rendering, media transcoding, manufacturing design, big data, and web crawling, to name a few.
ベータテスト中、規模の大小にかかわらずプリエンプティブルVMはコスト削減に活用された。多少の例を挙げれば、ゲノム分析や製薬の分野、金融分野におけるモデリングやシミュレーション、メディアのレンダリングやトランスコーディング、工業分野のデザイン、ビッグデータやWebクローリングなどだ。
プリエンプティブルVMは、標準タイプのマシンタイプから、マイクロやスモールハイメモリ、ハイCPUなどすべてのマシンタイプで用意されています。
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