データベース界の巨匠 マイケル・ストーンブレイカー氏がチューリング賞を受賞
米国の著名なコンピュータ学会の1つであるACM(Association for Computing Machinery)は、毎年コンピュータの分野で優れた功績を残した人物に「チューリング賞」を贈っています。
チューリング賞とは、現代型コンピュータの基礎を築いたアラン・チューリング氏の名前を戴く賞で、コンピュータ分野で最高峰の賞ともコンピュータ分野のノーベル賞とも言われています。
そのチューリング賞を、MITの教授をつとめるマイケル、ストーンブレイカー氏が受賞したことが発表されました(ACMのプレスリリース、MITニュース)。
ストーンブレイカー氏はデータベース研究者のパイオニアで、初期のリレーショナルデータベース実装の1つであるIngresを1970年代に開発し、1980年代にはオブジェクトリレーショナルデータベースのPostgresを開発。InformixのCTOなどデータベースベンダの要職も歴任、その後も2000年代にインメモリデータベースのH-Storeを開発、VoltDBを創業するなど、データベース分野を中心に産学の垣根を越えた積極的な活動を続けています。
ACMはストーンブレイカー氏の受賞を知らせるプレスリリースで、受賞理由を次のように書いています。
Michael Stonebraker has made fundamental contributions to database systems, which are one of the critical applications of computers today and contain much of the world's important data. He is the inventor of many concepts that were crucial to making databases a reality and that are used in almost all modern database systems.
マイケル・ストーンブレイカーはデータベースシステム分野の基礎構築に貢献してきた。それは今日のコンピュータの重要なアプリケーションの1つであり、世界の重要なデータの多くを包含している。彼は、データベースを実現するうえで重要なコンセプトの発明者で、それは現代におけるほとんどすべてのデータベースシステムに使われている。
MITが発表した受賞のニュースで、ストーンブレイカー氏は受賞の感想を述べています。
“It’s every computer scientist’s dream to get this award, and I am so very honored to be selected,” Stonebraker says. “It reinforces and validates the importance of the work that I have been doing alongside so many other researchers in the field of database management systems.”
この賞はコンピュータサイエンティストなら誰もが得することを夢見るものだ。私が選ばれて本当に光栄に思う。これは私とともに多くの研究者が研究を続けてきたデータベースマネジメントシステムの分野やその関連分野の重要性を補強し、また確証することになるだろう。
僕も1990年代にアスキーでInformixに関わっていたことがあり、ストーンブレイカー氏はその頃から個人的にもあこがれの人でした。心からお祝いを申し上げたいと思います。
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