ベアメタルサーバをまとめて構成、OSインストール、モニタなどの管理運用を実現する「RackHD」、EMCがオープンソースで公開
ストレージ大手のEMCは、ベアメタルサーバをまとめて構成管理できるツール「RackHD」をオープンソースで公開しました。
EMCの中の人のブログとして有名な「Virtual Geek」のエントリ「A REALLY big day for EMC in Open Source….」によると、Rack HDとはRack Hardware Directorの意味。
RackHDは、ベアメタルハードウェアに対してファームウェアのインストールやアップグレード、OSのインストール、モニタリングなどが可能。特定のベンダに依存することなく、いわゆるホワイトボックスサーバにも対応することが特長。
その動作は次のように「Task」「Workflow/Graph」「SKU」の3つで構成されます。
Taskは上図のオレンジの箱の中の「Ubuntuをインストール」「コマンドを実行」「ノードをリブート」など、個々の動作のことです。
タスクをまとめたものが「Workflow/Graph」となります。ここでは上記の3つのタスクが1つの「InstallUbuntu」というワークフローとして定義されます。
このタスクを実行するターゲットとして指定されるのが「SKU」です。右側の青い箱に示されているSKUは、インテル製で32GBのメモリを搭載したマシンに、InstallUbuntuというワークフローを対応させる、ということが示されています。
Virtual GeekのエントリではRackHDの意義を次のように説いています。
Think of how hard it is to do low-level functions like firmware updates across hardware vendors, or telemetry, or pre-boot configuration. Yes, there are tools to do this – but they are generally vendor-specific and closed.
複数のハードウェアベンダにまたがってファームウェアのアップデートを行い、モニタし、構成管理をするようなローレベルの操作がいかに困難かをぜひ考えていただきたい。そうしたツールはすでにあるけれど、それらはベンダ依存でクローズドなものだったのだ。
そしてなぜEMCはRackHDを開発したのか、その理由は同社のハイパーコンバージドインフラにあったようです。
We are working to RackHD is an important part of our rack and hyper scale hyper-converged offer: VxRack (RackHD is the lower levels of VxRack Manager). There’s even an early-stage CPI (Cloud Provider Integration) prototype for Cloud Foundry to bolt right onto RackHD for customers who want Cloud Foundry on bare metal.
RackHDは弊社のハイパーコンバージドインフラVxRackの主要な一部として開発されてきた(RackHDはVxRack Managerの低レベルを構成している)。さらにここには、Cloud Foundry用の早期版CPI(Cloud Provider Integration)のプロトタイプがある。これはベアメタル上にCloud Foundryを展開したい顧客のためにRackHD上に展開するものだ。
EMCはRackHDと同時にSoftware-Defined Storageコントローラをオープンソース化した「CoprHD」も公開しました。これは次の記事「EMC、複数のストレージを抽象化してAPI経由で操作可能にする、Software-Defined Storageコントローラ「CoprHD」をオープンソースで公開」で紹介します。
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