[速報]Oracle OpenWorld開幕、エリソン氏が基調講演。次期Oracle Databaseはクラウドスケールのマルチテナント機能を実装。Oracle OpenWorld 2015
サンフランシスコでオラクル主催のイベント「Oracle OpenWorld 2015」が開幕しました。初日の基調講演はいつも通り日曜日の夕方に開催され、同社創業者でCTOのラリー・エリソン氏が登場。
エリソン氏は約1時間半の半分以上を費やして同社のクラウド戦略を語りましたが、その内容はこれまでの同社のクラウド戦略をあらためてまとめたもの。特別に目新しい要素は含まれていませんでした。
本記事では、そのクラウド戦略を簡単にまとめた上で、終盤に駆け足で行われた新発表の中から注目すべき発表を取り上げます。エリソン氏は日本時間28日にも再び基調講演で登場予定です。
オラクルにとってクラウドには6つの目標がある
ラリー・エリソン氏。
われわれはクラウド上でアプリケーション、プラットフォーム、インフラストラクチャのすべてのレイヤを備えている。クラウドベンダでこの3つをすべて揃えているところはほとんどなく、マイクロソフトぐらいだろう。
クラウドではこれまでとは異なる競合がいる。アプリケーションの分野ではSalesforce.comやWorkDayであり、プラットフォームではマイクロソフトであり、インフラではAmazonだ。
クラウドビジネスにおいて、アプリケーションやプラットフォームやインフラの種類にかかわらず、われわれには6つの目標がある。
それは低価格であること、高い信頼性、高い性能、標準への準拠、互換性、そしてセキュリティだ。
マルチテナント機能をクラウドスケールにする
Oracle Database 12.1cではマルチテナント機能を提供した。これはコンテナデータベースに数百のプラガブルデータベースを入れられる機能だ。
Oracle Database 12.2cでは、これをクラウドスケールにする。数千のテナントを1つのデータベースで扱えるようになる。
システムがデータの分離やプライバシに責任を持ち、セキュリティ、プライバシーといったことを犠牲にすることなく、クラウドスケールで効率よくリソースを利用するマルチテナントのすべての利点を得られる。
われわれ自身もクラウドでデータベースを低価格で提供するのにこの機能の支援を受けている。
さて、昨年、アプリケーションとデータベースをオンプレミスからクラウドへと移動するデモを披露した。
明日の火曜日には、クラウドの管理システムによって、アプリケーションを動かしたままでそれを行うデモをお見せする。
これは非常に革新的なデータベーステクノロジーだ。
RAC in the Cloud
Real Application Clluster(RAC)をクラウドでも提供する。RAC in the Cloudだ。
スケールアウトアーキテクチャを備え、フォルトトレラントで単一障害点のないデータベースがクラウドで稼働する。
Java Serverもマルチテナント化で集約率が3倍
Java ServerのWebLogicにもマルチテナント機能を提供する。データベースのマルチテナント化と同じようにリソース効率が高まる。
これまでより3分の1のリソースでアプリケーションが走るようになり、集約率が3倍になるためコストも劇的に下がる。
さらに、あるサーバ、あるデータセンターで走っているアプリケーションとまったくおなじもの、おなじトランザクションを別のサーバ、データセンターで走らせることができるようにする。
1つのサーバが落ちても即時にリカバリされる。
これによって決して壊れない、落ちないようになる。またパッチを当てるときも問題ない、片方のインスタンスを落としてパッチを当て、反対側も同様にすればいい。
計画停止がなくなるのだ。
Oracle OpenWorld 2015
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