OpenStack Mリリースの名称が「OpenStack Mitaka」(三鷹)に決定、紆余曲折の末。10月に東京開催のOpenStack Summitにちなみ
OpenStackは半年ごとに新しいリリースが登場するサイクルで開発されています。現在の最新リリースは5月に公開された「K」で始まる「OpenStack Kilo」、秋に公開される次のリリースは「L」で始まる「OpenStack Liberty」となることが決まっています。
その次となる、来春に公開予定の「OpenStack Mリリース」の名称が、東京にちなんで「Mitaka」(三鷹)になったことを、OpenStack Foundationが発表しました。「OpenStack Mitaka」リリースと呼ばれることになります。
Happy to announce that the M release of #OpenStack will be named Mitaka (三鷹)
— Monty Taylor (@e_monty) 2015, 7月 14
三鷹は東京の西にある人口18万人の市です。井の頭公園(井の頭恩賜公園)や玉川上水、国立天文台などがあり、自然が豊富な地域として知られています。
10月に東京開催のOpenStack Summitにちなみ
OpenStackのリリース名は、アルファベットで表記できることと、そのリリースに向けて機能などを議論するOpenStackデザインサミットが開かれる場所の周辺地域の自然あるいは人文学上の名称にすること、などがルールになっています。
来春登場予定のOpenStack Mitakaは、10月27日から30日までの4日間、東京で開催予定の「OpenStack Summit Tokyo」と合わせて開催されるOpenStack Design Summitにおいて機能などが議論されることになります。そのため、Mリリースの名称として東京にちなんだ名称が選ばれたわけです。
OpenStack Mリリースのリリース名を決定するに当たっては、日本OpenStackユーザ会が出したいくつかの案を基に関係者による人気投票が行われていました。
人気投票は6月23日(日本時間)に締め切られ、1位は「Mita」(三田)、2位は「Minato」(港)、3位が「Meiji」(明治)、4位が「Mitaka」(三鷹)、5位が「Musashi」(武蔵)、6位が「Meguro」(目黒)などの結果となりました。
そしてOpenStack Foundationが商標などに関するリーガルチェックを行った結果、1位と2位にはリーガルリスクがあると判断され、3位の「Meiji」がリリース名として決定されたと、7月7日にいったん発表がありました。
しかし発表直後のOpenStackのメーリングリストにおいて、韓国や中国の開発者から、「Meiji」は韓国併合や日清戦争が行われた明治時代や明治天皇を想起させるため、東アジアにおいて歴史的、政治的な議論を呼びかねないとの懸念が表明されるなどしたため、発表はいったん撤回されました。
そこで4位以降の「Mitaka」(三鷹)、「Musashi」(武蔵)、「Meguro」(目黒)を候補にして再度メーリングリストでの議論となりました。日本の開発者からはそれぞれの地名や名称に関する歴史的経緯や連想されるものなど、一般的に考え得るであろう懸念があらかじめ提示され、それでも問題ないことをメーリングリストで確認しつつ、あらためてOpenStack Foundationがリーガルリスクをチェックした結果、「Mitaka」(三鷹)が採択されました。
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