Nutanixが新ハイパーコンバージド基盤の「Acropolis」と管理ツール「Prism」を発表。分散ストレージにイレイジャーコード、独自ハイパーパイザを無償提供
Nutanixはマイアミで開催中のイベント「.NEXT Conference 2015」で、同社の新しいハイパーコンバージド基盤ソフトウェアとなる「Acropolis」と管理ツールの「Prism」を発表しました。
「Acropolis」は分散ストレージや仮想マシン管理を実現
Acropolisは、分散ストレージ機能、仮想マシン管理、そしてKVMをベースにした「Acropolis Hypervisor」の3つから構成されます。
分散ストレージ機能は、多数のサーバにそれぞれ内蔵されたハードディスクやSSDをソフトウェアによって束ね、1つの仮想的な共有ストレージとする機能。
強力な分散ストレージ機能はこれまでもNutanixの特長の1つでしたが、Acropolisでは従来のデータコピーによる分散からイレイジャーコーディングを採用した方法へ切り替えることで、より効率的に分散ストレージを実現できるとのこと。また、仮想ストレージをNFSマウントだけでなくiSCSIでマウントできる機能も追加されました。(2015/6/12追記:Nutanix内の仮想ディスクを直接iSCSIでマウントできる機能は、Windows仮想マシンについて追加された機能でした)
Acropolisには「App Mobility Fabric」と呼ばれる仮想マシンの管理機能も加わっており、クロスハイパーバイザ環境での可用性実現、ディザスタリカバリなどを実現することに加え、アプリケーションの実行環境としてハイパーバイザからコンテナやハイブリッドクラウド環境へのシームレスなパスも提供すると説明されています。
さらに新しく独自の「Acropolise Hypervisor」も提供。KVMをベースにしており、Acropolisに標準で提供される予定で、商用のハイパーバイザのライセンスを購入することなくNutanixの機能を利用できる環境が用意されます。
「Prism」はワンクリックで管理を提供
PrismはAcropolisと組み合わせてストレージ、仮想マシン、ワークロードをまとめて管理できるツール。
ワンクリックでメンテナンスからトラブルシュートまで簡単にできると説明されています。
AcropolisはVMwareへの対抗戦略か
Nutanixは仮想環境で使うことを前提としており、同社のアプライアンス製品にはVMware、Hyper-V、KVMなどをバンドルする形で製品が出荷されています。
しかし同社が先行するハイパーコンバージドインフラ、すなわち共有ストレージを使わず、ストレージを内蔵したサーバを束ねてスケールアウトな仮想共有ストレージを実現するという新たなインフラの市場には、VMwareがVirtual SANを投入して参入してきました。
先月、EMCの参加のVCEがこのVirtual SANを用いたハイパーコンバージドインフラの「VxRack」を発表するなど、NutanixにとってVMwareは強力な競合へと位置するようになりました。
Acropolisを投入し、マルチハイパーバイザでの機能強化やAcropolis Hypervisorによる商用ハイパーバイザの不要化は、NutanixにとってVMwareへの対抗戦略の一環と見ることができます。
あわせて読みたい
「Mesosphere Datacenter OS(DCOS)」が正式版に。クラスタを簡単に拡張、縮小。ワンクリックでクラスタへのアプリ展開も
≪前の記事
シスコCEOを退任するジョン・チェンバース氏にスタンティングオベーション。Cisco Live! 2015 San Diego