NoSQLの「Cassandra 3.0」がリリース。リファクタリングされたストレージエンジン、マテリアライズドビューなど
NoSQLデータベースの代表的なソフトウェアの1つ、Cassandraへの注目が高まっています。米アップルは昨年、iCloudなどに保存されている10ペタバイトものデータを7万5000ノードで構成されるCassandraで運用していることを明らかにし、Netflixでも2500ノードで420テラバイトのデータを運用していることを発表するなど、大型の事例が相次いで発表されました(これらはApache CassandraのWebサイトのトップページで紹介されています)。
さらにグローバルで金融事業を展開するINGグループもオンライン決済システムにCassandraを採用、国内ではERPベンダのワークスアプリケーションが開発したERPの「HUE」でCassandraを採用するなど、基幹業務システムへも利用が広がっています。
そのCassandraの最新バージョンとなる「Cassandra 3.0」がリリースされました。
Cassandra 3.0では、ストレージエンジンのコードがリファクタリングされてCQLに最適化し効率がよくなったほか、新しくマテリアライズドビュー機能が搭載されました。
Cassandra 3.0のリリースを発表したブログ「The Apache Software Foundation announces Apache™ Cassandra™ v3.0」では、その特長が次のように説明されています。
v3.0 is a new milestone in the database's evolution with performance optimizations, improved data consistency operations, an average of 50% data storage savings, and numerous important developer enhancements, such as new materialized views, that greatly simplify application development.
v3.0は性能と最適化の面で、このデータベースの革新における新たなマイルストーンになった。データ一貫性の操作を改善し、平均でデータ保存域を50%削減、新たなマテリアライズドビューなどの機能はアプリケーション開発を非常に容易にすることだろう。
ビューとは実テーブルから作成される仮想的なテーブルのこと。マテリアライズドビューは、仮想テーブルにデータをキャッシュとして持つため、実テーブルにアクセスすることなく高速に値を得ることができます。
Cassandra 3.0のマテリアライズドビューでは、実テーブルのデータに変更があった場合、結果整合性を保ちつつその変更をサーバサイドで仮想テーブル(マテリアライズドビュー)に、反映してくれます。
例えば、あるゲームにおけるハイスコアを格納するテーブルをマテリアライズドビューで作成した場合、アプリケーションからそのビューを参照すると、つねに最新のハイスコアを得ることができるわけです。
そのほかCassandra 3.0ではユーザー定義関数、Windowsでのテストなども含まれていると説明されています。
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