OpenStack専業の米Mirantisが、Dell、Juniperと組んでOpenStackアプライアンス「Mirantis Unlocked Appliances」を発表
「OpenStack」専業のシステムインテグレータとして知られる米Mirantis(ミランティス)が、OpenStack専用の統合アプライアンス「Mirantis Unlocked Appliances」を発表しました。
Unlocked Appliacesは、Dellのサーバとストレージ、Juniperのネットワーク機器を搭載したラックに、Mirantis OpenStackをインストールし、すぐにクラウド基盤として利用できるようにしたもの。最小でサーバ6ノード、ストレージ12TBから、最大のフルラック構成では24ノード、48TBストレージとなります。
Mirantisはリファレンスデザインを提供し、製品の提供はMirantisのパートナーが行うこととなっています。ユースケースとしては、クラウドネイティブなアプリケーションの開発基盤を想定しているとのことです。
OpenStackアプライアンスはNebulaが失敗したばかりだが
OpenStackアプライアンスは、OpenStack登場初期から米Nebulaが製品として提供していましたが、同社は不振が続いた結果今年4月に廃業しています。Mirantisのアプライアンスは果たして成功するのでしょうか?
この疑問についてMirantisのブログ「OpenStack appliances from a software company? You bet!」では、Nubulaとは3つの点で異なっていると説明しています。
1つ目はタイミングです。Nebulaが登場したOpenStack初期から最近までは、OpenStack市場はまだ未熟で、その多くはアーリーアダプターであり自分でOpenStackを導入するような人たちだったと。
2つ目はOpenStackの利用形態が変わってきた点です。OpenStackがエンタープライズのメインストリームになりつつある現在、導入してすぐに使えるソリューションのニーズは高まってきていると。
3つ目は、MirantisがOpenStackへの貢献を積極的にしており、その貢献はOpenStackにマージされてMirantis OpenStackにも反映されていくことで、よりよい循環を作れるとしています。
Mirantisは発足当初はOpenStackのプロフェッショナルサービスを提供し、次にOpenStackの商用ディストリビューションの提供を開始、そして今回OpenStackアプライアンスを投入することで、OpenStackへのニーズの広がりに対応するとともに、自社のビジネス領域を広げてきました。この積極的な変化には、システム構築やシステムサポートのビジネスを成長あるいは拡張していくうえでヒントになることが多く見つかるのではないでしょうか。
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