パブリッククラウドから撤退した米ヒューレット・パッカード、マイクロソフトとの提携で「Microsoft Azure推し」に
先月、パブリッククラウドからの撤退を発表したばかりの米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(以下HPE)は、マイクロソフトと提携し、Microsoft Azureを「プリファードクラウドパートナー」にすることを明らかにしました。
2015年第4四半期の業績をプレスやアナリスト向けに報告する電話会議において、HPE会長兼CEO メグ・ホイットマン氏は、ハイブリッドクラウドの提供を推し進めていくと今後の戦略を説明したうえで、次のように話しました。
「これを前進させる一環として、マイクロソフトとの提携を来週のDicsover(注:ロンドンで開催予定のプライベートイベント)で発表する。エンタープライズ向けハイブリッドクラウドの提供において、われわれはMicrosoft Azureを『プリファードクラウドパートナー』とし、マイクロソフトは弊社をハイブリッドクラウドでのインフラとサービスにおける『プリファードプロバイダ』とする」
提携の具体的な内容については、Discoverのイベントで明らかにされるとのことです。
クラウド市場ではAmazonクラウドがリーダーとされており、マイクロソフトはMicrosoft AzureでそのAmazonクラウドを猛追しているところです。
Amazonクラウドがパブリッククラウド専業であるのに対し、マイクロソフトはMicrosoft Azureに加えて、プライベートクラウドやハイブリッドクラウド向けの製品も提供しているところを強みとしています。
今回のHPEとマイクロソフトの提携は、パブリッククラウド市場から撤退しつつも企業向けのインフラとサービスに強いHPEと、ハイブリッドクラウドを武器にAmazonクラウドとの競争を戦おうとしているマイクロソフトにとって、望ましい補完関係にありそうです。
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