MemSQL、無料版の「MemSQL Community Edition」公開、容量に制限なし。インメモリの分散データベース
MemSQLはインメモリの分散データベース「MemSQL」の最新版「MemSQL 4」のリリースと、無料版の「MemSQL Community Edition」の公開を発表しました。
MemSQLはデータをメモリ上に置くことで高速な処理を実現するデータベース。スケールアウト機能を備えているためノードを追加することで容量や性能を向上させることができます。
内部のデータは、インメモリでのローストア(row store)とディスクベースのカラムストアを共存させることで、高速な処理性能を維持しつつヒストリカルデータなどの大規模なデータも保存可能。リレーショナルデータの一般的なデータ型に加え、地理情報、JSONデータなどのデータ型もサポート。高速なトランザクション処理だけでなく、BIなど大量のデータ分析も高速で処理すると説明しています。
MySQLのプロトコルをサポートし既存のデータ分析ツールなどが利用できるとのこと。
無料のコミュニティエディション、容量や期間の制限なし
MemSQLはこれまで商用版しか提供されてきませんでしたが、MemSQL 4と同時にMemSQL Community Editionが公開されました。Community Editionは期間の制限なく無料で利用でき、データ容量にも制限はありません。
ただしMemSQL Community Editionはオープンソースではなくバイナリによる配布となり、サポートはStackOverflowなどでのコミュニティベースのものとなります。
MemSQLをなぜ無料公開するのか? 同社CEOのEric Frenkiel氏はブログ「MemSQL 4: Market and Strategy CEO Q&A」で次のように書いています。
There is a wide spectrum of commercial database offerings. On one extreme there are proprietary hardware / software combinations. Our belief is that proprietary hardware is a down elevator. On the other end of the spectrum there are open-source projects with businesses built around them. But that is essentially selling consulting hours, not software.
商用データベースの提供にはさまざまなやり方がある。1つの極端な例はプロプライエタリのハードウェアとソフトウェアの組み合わせだ。しかしプロプライエタリなハードウェアは下り坂だと私たちは信じている。その一方で、オープンソースプロジェクトを中心としてビジネスを構築することもある。しかしこれは本質的にはコンサルティングの時間売りであり、ソフトウェアを売っているのではない。
(略)
At MemSQL, we want to offer performance that trumps legacy vendors, deliver it a fraction of the cost, and provide complete deployment choice across hardware, data centers, and clouds. In doing so we hope to help more companies achieve their goals to become real-time enterprises.
MemSQLにおいては、私たちは既存のベンダを凌駕する性能をわずかな価格で、さまざまなハードウェアやデータセンター、クラウドで稼働する選択肢と共に提供したいと願っている。そうすることで私たちは企業がリアルタイムエンタープライズというゴールに到達するのを支援したいのだ。
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