マイクロソフト、Linuxベースのデータセンター向けスイッチ用OS「Azure Cloud Switch」開発をブログで紹介。ASICのプログラミング用API搭載
マイクロソフトのAzure Networkingプリンシパルアーキテクト Kamala Subramaniam氏は、データセンター向けのネットワークスイッチ用に、LinuxベースのOS「Azure Cloud Switch」を開発したことを明らかにしました。
Subramaniam氏は、Azure Cloud Switchを次のように説明しています。
It is a cross-platform modular operating system for data center networking built on Linux. ACS allows us to debug, fix, and test software bugs much faster. It also allows us the flexibility to scale down the software and develop features that are required for our datacenter and our networking needs.
これはデータセンターネットワーキング用に、Linuxを基に開発したクロスプラットフォーム対応のモジュラー型OSです。Azure Cloud Switchは(訳注:ネットワーキング)ソフトウェアにあるバグのデバッグ、修正、テストをより迅速にできます。さらに、データセンターやネットワークのニーズに応じてソフトウェアや開発機能を縮小することも柔軟にできます。
Azure Cloud Switchの大きな特長は、C言語でスイッチハードウェアのASICをプログラミングするためのAPIである「Switch Abstraction Interface」(SAI)を利用していること。
SAIはマイクロソフト、Broadcom、Mellanox、DELLら複数の企業が協力して策定した仕様で、先週、Facebookが主導するデータセンター向けにオープンなハードウェアを実現するプロジェクト「Open Compute Project」で採択されました。
マイクロソフトはSAIを推進しており、SAIを搭載したAzure Cloud Switchを使って、3月のOpen Compute Summitでは基本的なL3スイッチのデモを、8月のSIGCOMMではQoSのデモなどを披露していました。
Azure Cloud Switchで「クロスプラットフォーム対応」という表現が出てくるのは、このSAIによるAPIの標準化によって、Open Compute Project仕様に対応したさまざまなベンダのスイッチ、いわゆるホワイトボックススイッチに対応できるためでしょう。
Azure Cloud Switchは少なくとも現在のところ製品として開発されているわけではないようです。しかしこの発表は、マイクロソフトがLinuxでも良いものはオープンにどんどん取り込んでいくという同社の最近の印象をさらに強めるものだと言えるでしょう。